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サスペリア・テルザ 最後の魔女評論(5)
腸ビックリ!
イタリアのとある墓地から19世紀のものと思われる棺と遺品が発掘され、古代美術館員のサラは調べるうち、邪悪な魔女“涙の母”を蘇らせてしまい…。
「サスペリア」へのリンクネタは堪らないが、サラの亡き母がゴーストとなって現れるなどのVFX処理がどうもチープな印象を与える。
やはり「サスペリア」のような妖しい雰囲気には遠く及ばず。
なので見所は、グロ描写と、監督の実娘アーシアの美貌とナイスボディ。
繋ぎが雑で唐突だったり、出てくる人がみんなイカレてたり。おっぱい出まくったり。さらに、なぞの日本人魔女も出てくる。
楽しみましょう。
サスペリアをリアルタイムではないが、たしか小または中学校のタイミングで見ているが、幼いわたしですら、なんじゃこりゃみたいな印象をもった。記憶がある。
アルジェントといえば、人が、とんでもない方法で死ぬのが見せ場になっていて、血がドバー、目の球がビローン、みたいな描写が、わりと記憶にある。
つねに殺害シーンが凝ったつくりをしており、なんでそれを見せどころにしたいのかが、個人的にはけっこう、わからなかった。
醒めているから、ではなく、残酷耐性があるから、でもない。
基本的に映像作品のなかで人が死ぬばあい、派手にすると、派手になるだけであって、だからどうした感は拭えない。個人的見解だが、アルジェントは園子温に似ている。
ルカグァダニーノ監督がサスペリアを発表したとき、けっこうな人が「やっぱダリオアルジェントのほうが上ですね」みたいなことを言っていて、かなり、驚いた。
何をどう見ようと、人様の勝手だが、グァダニーノ版のサスペリアは、個人的には、アルジェント版とは比べものにならないほど、ブラッシュアップされた重厚な叙事だった。
けっこう著名なライターも、アルジェント版のほうが上とか言っていて、何言っちゃってるんだろう?で、ひとりで盛り上がっていた。
昔から、日本には、ダリオアルジェント好きが多いのでは──と思うことが多かった。
わたしの世代も、わたしの前後の世代も「決して一人で見ないで下さい」のキャッチコピーを知っているが、幼いわたしですらサスペリアがなぜ怖い映画なのか、分らなかった。わたしにとっては日本最初の釣りコピーと言っていい。
いまも、ダリオアルジェントを称揚する輩がけっこういる。人様が、なにをどう見ようとその人様の勝手である。ただ、個人的には、そこに円谷プロの特撮は素晴らしい──みたいな懐古趣味を感じない──ではない。
こんにちでは、恐怖表現が多様化しており、かつてのアルジェントは一定の様式があったにせよ、さいきんのダリオアルジェントには、様式もない。ましてホラーはもっとも進化が激しい前線である。
ちなみにわたしは、ダリオアルジェントが嫌いではない。バーヴァのようにざっくりした、細かいこと気にすんなみたいな山っ気な演出も、一拍遅れのアフレコの英語も、Profondo Rossoでクルリと一回転するダリアニコロディのタバコも好きだ。
ただアルジェントを美学だ美学だと騒いでるひとってのは、個人的には胡散臭く見える──という話。
この映画も、もはやアホらしいほどだが、魔女が地下に王国的なものを築き上げている点においてグァダニーノ版のサスペリアと近親性があった。その魑魅魍魎たちの地下から逃げ出し、マンホールから地上に出て、助かった喜びに唐突に笑って映画は終わる。
恐ろしい体験が笑いになればいいなといまつくづく思う。
『サスペリア』で最後の魔女を殺したスージーの名前も出てくるが、いったい魔女はどれだけいたんだか・・・終盤にはわけがわからなくなるほど支離滅裂な展開となり、眠気をもよおすのだが、ところどころで綺麗なヌードが登場するので目が覚めてしまう。
空港に降り立ったヤンキー魔女の一団の中に日本人が1人いる。日本向けのサービスなのか日本語の会話も・・・(通じてないみたいですが)