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ジョアンナ評論(1)
衣装や風景など色彩感覚にとても優れている
モロッコのロケシーンなどはため息がでるほど
でもロケシーン美しさは撮影のウォルター・ラサリーの腕だろう
記憶と現在を自由にコラージュして編集を斬新にして大胆に行っている
また凝った構図もある
本作のテーマは自由奔放に生きてこそ人生があると劇中の台詞にいる通りだ
しかし、カメラに写される光景は何か?
ロンドンの観光名所や大金持ちの貴族の暮らし
ジョアンナ自身イギリスの地方からロンドンに上京してきたての18歳の少女だが、有名な裁判官の判事の娘で、王立芸大に通う甘やかされ放題に育って無軌道そのもの
その彼女の自由奔放ぶりを若い世代の憧れの暮らしとして描くことが本当の本作の目的だ
1960年代後半のロンドンの盛り上がる若者文化を映画として取り上げたかったのだ
その意味で映画「欲望」と同じだ
映画をとる為の方便としてサスペンスを使わなかっただけ本作の方が良心的といえる
ただ取り上げる題材は若者文化そのものではなく、若い世代の新しい映像感覚を取り上げたかったのだ
美術史の授業のシーンで、古典への反抗だと講師に述べさせている
終盤はフェリーニの8 1/2のオマージュを取り入れてみせる
しかし、何もかも中途半端
それでもその色彩感覚と映像、編集センスを楽しむことはできる
そこにはその価値は確かにあるのだ