ジェームズ・ディーンが「エデンの東」に続いて主演を務めた名作青春ドラマ。行き場のない怒りを抱える若者たちが取り返しのつかない事件を引き起こしていく姿を、ニコラス・レイ監督が力強くも繊細なタッチで描いた。親の都合で引っ越してきた17歳の少年ジムは、真夜中に路上で泥酔していたところを警察に連行される。そこで彼は、同年代の少女ジュディや少年プレイトウと出会う。翌朝、ジムは転校先の学校への登校中にジュディに会うが、彼女は不良学生のバズたちと一緒にいた。バズに目をつけられたジムはナイフでの決闘に挑むが勝負がつかず、崖に向かって車を走らせる命がけの度胸試し“チキンラン”で決着をつけることになり……。2021年1月、「ジェームス・ディーン生誕90周年記念上映」(21年1月29日~、新宿ピカデリー&なんばパークスシネマ)でリバイバル上映。
理由なき反抗評論(15)
大した理由もなく一晩に3人も若者が死んでしまい、しかし誰もその死を大して悼んでもいないところがなんともやりきれない。それより孤独であるとか、父親が情けないなどといったことが大問題のようで、その尺度に釈然としない。
ヒロインも、彼氏が横暴だったら同調して調子に乗るようなタイプで、感じ悪かった。みんな高校生なのに自動車やスクーターを乗り回すようなお坊ちゃんお嬢ちゃんたちで、甘ったれるのもいい加減にして欲しい。警察も迷惑だ。
若くてエネルギーが有り余っているのか、ナイフを用いた喧嘩などで発散せず、何かもっとスポーツなどに打ち込んで欲しい。
人が激しく死ぬ割にけっこう退屈だった。
お母さんに尻に敷かれるお父さんが恥ずかしくて人からバカにされることが大っ嫌いなジムと、ファザコンなジュディと、金持ちだけど両親がいない愛情に飢えたジョン3人の若者の話。
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かなり古い映画だけど今も昔も若者が考えることは同じ。Netflixの『13の理由』と共通するところが結構ある。特にアメリカはすぐに銃が出てきちゃうのがずっと変わらないんだな。
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私が1番この映画の中でしょーもないと思ったのは、チキンって呼ばれたから挑発に乗ってナイフで喧嘩しちゃうとこ。さらには崖に向かって車を走らせてどっちが先に車から飛び降りちゃうかのチキンレースが始まる。
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男のプライド?そんなの全然いらないし、そういうの逆にかっこ悪い。そこで戦いに挑まない勇気ってのが逆にかっこよかったりするんだよ。ほんとしょーもな。
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赤の服を最初にジュディが着てて、次にジム、最終的にジムの着てる赤ジャケットをジョンに着せたらジョンが死んじゃうのが印象的だったな。
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赤のナイロン・アンチフリーズにLeeの101z、白TEEにエンジニアブーツって、最高な男が今や最高なヴィンテージを身に纏い、そんなJ・ディーンを見ているだけでも楽しめる。
50年代のアメ車の数々、チョイ役だがD・ホッパーの初々しい演技も要注目。
サル・ミネオが「アウトサイダー」でのラルフ・マッチオみたいで、そんなプレイトウ少年が後半から二人の間に割って入る邪魔者感が気持ち悪く、終盤からイライラさせられる展開で、上着を返せよ!と思わず!?
親との価値観の違い、非行への憧れ、仲間という形だけのステータスと浅い友情、愛に飢えた心。
現在にも通ずる"若者の反抗"という一種の永遠普遍のテーマに対して、いや、それだけでなく十代という半人前の繊細な心情の全てに対しての多方面からのアプローチは素晴らしい。
これは誰もが通る、通って来た道だが、立派な大人がこれ程の理解を持って描くのは至難の技だ。
だからこそ、主題を的確に捉えたセリフの数々は深く心に響く。
赤いジャケットに白いTシャツ、そしてジーンズに身を包んだジェームス・ディーンが映し出された時、作品がキリッと引き締まった。不器用ながらも、ある出来事をきっかけに錯乱してしまった仲間の少年が、銃を発泡してしまった時、銃を見せて欲しいと言い、返す時にさりげなく銃弾を抜いて、それを少年に返す彼の優しさも良かった。反発しながらも最後には、父親と解り合えた瞬間も良かったです。