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キック・ミー 怒りのカンザス評論(2)
舞台のカンザスシティってミズーリ州とカンザス州とに跨った都市で、発展しているのはミズーリ側で、カンザス州カンザスシティ(KCK)は作品に描かれたようなちょっと危ない地域らしい。日本でいう「川向こう」の感覚か。
全編を通して「三本足のイヌ」が登場するがあれは何かのメタファーなのか?
上映後に監督生出演、主演男優リモート出演のトークショーがあり、色々面白い話が聞けた。
主人公の役者さんはもと麻薬捜査官で、監督が図書館に勤めていたとき黒澤明の「姿三四郎」のビデオを貸りにきたのが出会い。当時は潜入捜査中で長髪ヒゲ面で麻薬の売人にしか見えなかった由。
空手の有段者でKCKで道場(映画に出てきたチャゴ会館という名前)をやっているそうです。そういえば裸になるとガッチリ筋肉のついたいいガタイしてたもんな。
主人公が夜のKCKを逃走中に、なにかが入ったビニール袋を大量に立木にぶら下げている怪しい老人と遭遇するが、これは「ジェンケム」といって、発酵した汚物(糞尿など)から発生する有害ガスから成る、幻覚作用をもたらす合法ドラッグとのこと。
治安の悪いカンザスシティの様子が多く描かれているが、ストーリーと直接関係はないし、コミカルタッチの風だが気の触れたチンピラやキャンピングカー内での出来事はシンプルに気色悪い。
バイオレンス的なグロさというよりは、とにかく絵面が汚い印象。
あと、実際にあぁいった感じの犬も多くいたりする地域のようですが、どういう気持ちで見たら良いのかわからない。愛情をもって撮影しました…と言われても。。
ユニークな作品であることは間違いないが、かなり人を選ぶ感じですかね。