「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」「もみの家」の南沙良が主演を務めたサスペンス。心理療法室の院長・窪司朗の娘である花。かつて一家は交通事故に遭い、司朗は足に後遺症が残り、母は植物状態、妹は顔に重度の火傷を負い、花も心に深い傷を抱えることとなった。そんな花はある時、母親が心神喪失状態で、その原因を探っているという高校生・四井純と出会い、次第に心を通わせていく。そんなある日、花の母が5年ぶりに目を覚まし、司朗が家に連れて帰ってくる。司朗は久々の家族団らんを喜ぶが、花は母にどこか違和感を抱き……。花と親しくなる純を「なにわ男子」の大西流星、花の両親を「映画
極主夫道」の玉木宏と「マチネの終わりに」の桜井ユキが演じる。オリジナル作品の企画コンテスト「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2017」準グランプリ作品の映画化。「町田くんの世界」などの脚本家・片岡翔が監督・脚本を手がけた。
この子は邪悪評論(20)
途中(というより終盤種明かしあたりまで)は割と良かった!この手の邦画にしては無駄な説明ゼリフがないし、大きい音でびっくりさせる演出を多用せずここぞという時に使うスマートさ、特に前半は平和な家族だけど何かがおかしい奇妙さが家の絵とか装飾にも出てて良かった。
ただ、最終対決で急にいつもの邦画になっちゃったのが残念。妹の急な正気に戻る感じ強引だなと思ったし、お父さんがおばあちゃんをボコボコにするのとか今までのスマートな犯行に対して急に雑すぎる。もはやストーリーどうこうより、狂った父親演じてて玉木宏楽しんでやってるなぁっていうのが見えてしまった(笑)まぁあれだけ広げた風呂敷回収するためには、この展開しかないのかとも思う。
あと印象的だったのは目の演出。色んな目が出てくるけど、特に流星くんの目が良かった。流星くんって普段から、めっちゃ可愛い顔してるけど瞳の奥の奥がすんっとブレてない強さを私は感じてるんだけど、催眠かかってない時はそのブレない目で、かかっている時はその軸が完全に消え去ってるように見えた。案外キャスティング納得。
赤い目も『哭悲』見ると今にも暴れだしそうなのに、今作では完全に無害化されてるの面白かった。
ジョーダン・ピールっぽいってレビュー多いのも納得で、最初は不気味に始まって徐々にちょっと笑える雰囲気になっていく感じ似てる。最後のタイトル出るのもギャグっぽいし。
不思議な映画。
超満員。
火曜日の夕方とはいえ、貸切とは…。300人入る劇場に一人ぼっち、しかも観るものは不穏なもの、何か起こりそうですね…。何も無かったですが笑
「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2017」の準グランプリを受賞した作品で、昨年からコンスタントに輩出されている受賞作の中でも異色な匂いがしました。予告での不気味な感じ、特に目がギョロギョロするシーンは驚かされました。
序盤の不気味な行動をする人たち。正直何をしているんだ?と心モゾモゾしましたが、しっかりと後半にその意味を明かしてくれるのでまた一興です。
テーマの一つとして子供の虐待を扱っており、その解決法の一つとして催眠療法を、使うというのもアイデアとして面白いなと思いました。言葉で言っても解決できないなら…斬新な考えに一泡ふかされました。
人間の中身を"入れ物に移し替える"という催眠術便利すぎないか?とは思いましたが、中々悍ましい行動をしているなと思いました。「ウサギは無垢だから入れ替えやすい」「実験的に人間と入れ替えてみた」「感情を失ったら喋らない」絵面的な怖さもありましたし、もしもの話とはいえ、宗教的な側面も考えに入れると割と現実でも出来るんじゃね?と思えるのも物語に面白さを含ませていました。
ただ終盤、殺されにきただけのお婆ちゃんは謎だし、だいぶぶん殴ったはずなのに返り血は無いし、娘はその様子を見ているだけで、妹がトドメを刺して、その後息子が生まれる…と割とハイスピードかつざっくりとした終わり方なのは少し残念でした。タイトルの伏線回収もあーなるほどなーとは思いましたが、あれは父親の意思が生まれた息子になったと解釈してもいいんでしょうか…。
玉木宏さんの怪演は素晴らしかったですし、南沙良さんの葛藤する様子も良かったです。こういう邦画が多く作られる世の中になって欲しいものです。片岡監督はとりあえず追っていこうと思います。
鑑賞日 9/20
鑑賞時間 19:00〜20:50
座席 K-13
大西流星かわい〜