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ハケンアニメ!評論(20)
公務員の仕事を辞めてアニメ業界に足を踏みいてれて7年の新人監督が、2大TV局が火花を散らす土曜5時のアニメ枠で、1クールのテレビアニメを手掛けることになり巻き起こって行くストーリー。
合同制作発表の場で、思わず宣戦布告してしまった主人公が不本意なプロデューサーの広告戦略に振り回されつつ、自身の作品への思いや制作に際しての裏事情と向き合い、悩み、葛藤して成長していく様は、アイデンティティに触れたり、猪突猛進からの気付きだったりと、上げて落として波があり、とても判りやすくて良く響く。
一番殺伐としているのがエクレアの件って…w
ところで良く解らないけれど、制作サイドはまだしも、今でもTVアニメってこんなに世間で熱があるのでしょうか?
ちなみに、劇中アニメの描写はそれ程多くはないけれど、恐らく自分はサバクの方が好みに合っていそう…。
なんだかんだとみんな真摯で真剣で、良い人ばかりのご都合主義ストーリーだけど、ガチガチになり過ぎず、優しく暖かくなかなか面白かった。
同じような方が結構いるんじゃないかな?
作り手やMD関係の人は。
貫き通した吉岡里帆さんは格好良かった。
同じように中村倫也さんも格好良かった。
中村さんの最終回はどっちを選んだのかな?
※TOHOシネマズ錦糸町、試写会より
映画の紹介にある通り、そのクールの覇権をとるために二つのアニメが切磋琢磨する、と正直それ以上でも以下でもない映画。
でもアニメ業界に全然詳しく無い自分にとってはアニメ制作にあんなにいろんな仕事があって、たくさんの人が携わっていることが知れた『職業紹介ザ・ムービー』みたいな映画だった。
柄本佑さん素晴らしすぎる嫌味役。
中村倫也氏、小太り感は役作り!?
吉岡里帆さん、NHKで現在放送中の「しずかちゃんとパパ」観てても思うけど、本当にいい女優さんになったなー。
実際に観られるならあたしは『サバク』の方が観たい!!
観て損はないです。
今どきのアニメに詳しいと
なお、良いかも。
この深い世界観を自然で面白い「お仕事ムービー」として仕上げている制作陣は、素直に「流石」だと思えました。
メインの中村倫也の安定感に加え、吉岡里帆の❝仕事人に徹した演技❞はこれまでで一番良かった気がします。
個人的には、プロデューサー役の柄本佑は、役柄も含めて、これまで見た作品で最も魅力的に映りました。
珍しく、他のどの役者も良くて、「本物」(本職)にしか見えない凄さがありました。
あえて挙げると、「神作画」を描くアニメーター役の小野花梨が光っていました。直近では、のん監督作の「Ribbon」で❝テンションの高い妹❞を演じていましたが、また違った興味深いキャラクターでした。
本作は想像を超えて出来が良かったので「あと少し頑張って欲しかったシーン」が逆に目につきました。
1つ目は、電車の中の「中吊り広告」のシーン。今は週刊誌の中吊りは無くなりましたし、そもそもアニメの話がトップに来る事はないです。いくら「覇権アニメ」であってもやや誇張になってしまうのでスマホのニュース記事のタイトルなどで良かったと思われます。
2つ目は、2人の監督が公開対談する際に、詰まった新人監督(吉岡里帆)に王子千晴(中村倫也)が助け船を出しますが、それとプレゼン画面がリンクするのは無理がありました。
本作は大きな点でこのくらいしかダメ出しする必要のない「圧倒的なクオリティーの高さ」でした!
今の世の中は「働き方改革」の名の下、本作の2人のアニメーション監督のようにこだわり抜くクリエイターは「ブラック」と見られる風潮もあります。もちろん、その大きな流れに異議を唱える訳ではないのですが、私は本作で描かれているプロフェッショナルな人達の「仕事の熱量」こそ、人や世の中を動かせるものだと考えています。
その意味で、こういうリアルな「本気を描いた映画」は、単純に楽しめるのと同時に、仕事の意義を考えるのにも適した意義深い作品だと思います。
なお、エンディング曲の後にも映像が続くので、席を立たずに最後のシーンを見逃さないようにしましょう!