萩本欽一の素顔、番組作りの裏側を「電波少年」で知られるテレビディレクター土屋敏男が追ったドキュメンタリー。ある日、萩本の自宅を訪れた土屋が「視聴率30%超えの番組を作りましょう」と萩本に提案する。そこから、かつて出演する番組の一週間の合計視聴率の高さから「視聴率100%男」の異名をとった萩本と、萩本を敬愛する土屋による新たな番組作りがスタートする。演者との顔合わせ、番組構成スタッフとの打ち合わせなどを精力的にこなしていく76歳の萩本欽一。笑いを追求し続け、新しい要素を取り入れ、関わる人々の熱量を最大限に引き出していく萩本欽一独自のテレビ作りの奥義、萩本欽一の真の姿が土屋のカメラによって記録されていく。
We Love Television?評論(16)
Tプロデューサーらしいアポ無し訪問から始まった、欽ちゃんと、もう一度、視聴率30%のテレビ番組を作る企画。
番組企画の過程で欽ちゃんの思考を言語化する事で、視聴率100%男が生まれた源泉を残すノンフィクション。
もっとポップかと思いきや、しっかりノンフィクションで、繰り返されるのはとにかく思考を止めず、結果の為に拘りを持つ欽ちゃんの姿。
3.11も必要最低限にしか触れないことで、ブレずにエンタテイメントと向き合う萩本欽一が炙り出されていたと思う。
だからこそ、終幕が気になるところでしたが、そこも最後まで大学入学や緊急搬送からの即復活など、驚きが続き、最後まで熱さが余韻に残った。
また、岡村靖幸の主題歌と春の画も心地良かった。
ただし、「夢を諦めない」と言えば聞こえが良いが、萩本欽一氏の、もう一度視聴率30%、新しくヒットするテレビ番組を作りたいという思いは、ONECE AGAIN で宇多丸が唄った「『夢』別名『呪い』で胸が痛くて」というリリックが思い出されるほどの執着心であり、Tプロデューサーはこのプロジェクトで、とんでもない呪いをかけてしまったなぁ。とも思われた。
パワーの源でもあるのかもしれないが。
あの年齢でこのパワー!
そして信頼する相手だからこそ成り立つのであろう計算された相変わらずの無茶振り!
リアルタイムのテレビ放送は見逃しましたが、今見ても面白かった!
田中美佐子バージョンでの欽ちゃんの立ち位置も見たかったなぁ~!
欽ドンとかのシーンが出てくるから一瞬懐かしいとか思うんだけど、そんなのホント一瞬だけ。欽ちゃんはぜんぜん現役で、ものすごい情熱で、ものすごいエネルギッシュで、そしてものすごくピュアなんだ。笑いに対してと言うより、存在がと言うか、生きることにと言うか。だから、ものすごくステキ。映画としてどうとかよりも、とにかく欽ちゃんがステキです。そして観たら勇気をもらえます。いや〜、欽ちゃんステキだなぁ。