ベトナムの町の人間模様を、移ろいゆく季節を通して織り成したドラマ。監督・脚本は本作が長編デビューのトニー・ブイ。製作は「2ガールズ」のジェイスン・クリオット、ジョアナ・ヴィセンテ、トニー・ブイ。製作総指揮は「グレイスランド」のハーヴェイ・カイテル。撮影は「トゥリーズ・ラウンジ」のリサ・リンズラー。音楽は「シェルタリング・スカイ」のリチャード・ホロウィッツ。美術は「コップランド」のウィン・リー。編集は「レストラン」のキース・リーマー。衣裳はギア・チー・ファム。出演はドン・ズオン、グエン・ゴック・ヒエップ、ハーヴェイ・カイテルほか。99年サンダンス映画祭審査員グランプリ、観客賞、撮影賞受賞。
季節の中で評論(1)
ハス売りの少女に突然のライバル、造花の花屋が登場。木箱を無くした少年が映画館でスクリーンを破ってしまった後にショーウィンドーに複数のテレビ映像。シクロ運転手が娼婦を待つホテルでは、普通のタクシーが娼婦を追い出す。4つのストーリーは徐々に絡み合ってくるのであるが、3つの話は近代化による疎外感。ハーヴェイ・カイテルのストーリーだけは娘を探す目的であるから古きを求めているのだ。
ハンセン病により隠遁生活を送る地主のストーリーが最も味わい深い。シクロのストーリーは後半の映像が凄く綺麗。