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日本の黒い夏 冤罪評論(9)
時はネット黎明期。ようやくwindows95が発売された年。
マスコミに扇動されて罪無き人が追われてしまう。
松本サリン事件の舞台裏だ。
北村有起哉の憎まれ役ぷりが鼻に付くけどよい。
しかし、なんでこんな昭和風なつくりにしたのかはギモン。
本作は冤罪事件を題材に組織や個人の正しい姿とはなにかを問うヒューマンタッチで描いた男たちの熱いドラマである。
そういえばこんな事件があったなあ、くらいに世間の人たちに思い出させるのは評価できますが、その悲惨さはまだまだ伝えきれていないように思います。
映画としてもドキュメンタリーなのか、フィクションなのか、やや中途半端な感じ。遠野なぎこが若くてかわいいのにびっくり。
昭和4,50年代の雰囲気です。
日活感が漂っています。台詞回しも古くさいので、堅苦しく違和感があります。
役者は実に豪華なんですが。
ただ、内容はとても意義のある物です。
マスコミの情報の扱い方、視聴者の受け取り方、警察の在り方。
考える良い機会になると思います。
名前こそ変えてあるけれど、この冤罪事件は実際に起きた事ですので、こちらも真摯に向き合わざるを得ません。
当時私は高校生でしたが、テレビで報道される通り、「第一通報者のおじさん
(この映画ではかんべさんとされています。)が犯人なのか」と信じて疑いませんでした。容疑者と報道された時点で、その人は殺人犯だと世間に認識されます。後遺症に苦しめられるのみならず、この第一通報者の方は、殺人犯のレッテルを貼られる二重の被害を被っています。
最近でも、この映画同様、マスメディア(と情報提供者、及び視聴者)に問題提議する映画がありました。
インターネットやSNSの普及等で情報が簡単に拡散される時代、若い世代にも是非考えて頂きたい問題だと思います。
それだけに、この古くさい仕上がりが
もったいなく感じてしまいました。