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男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎評論(7)
どことなく色んなキーワードが結びついてしまう作品でした。他にも根室、根暗、さくら。床屋、とらや、テキヤ。もしかしたら渡瀬と渡世人もかけてたのかな。「おいネクラ!ネクラじゃない。さくら」には大爆笑!
タコ社長の娘役で頭の悪そうな美保純。地でいってるのだろうけど、見事にハマっていた。しかし、こんな娘ほど可愛い。「たくさんお金使わせちゃってごめんね」という嫁入りの挨拶が泣かせてくれる。他にも佐藤B作とか渡瀬恒彦とか、当時人気のある俳優ばかりを集めて、なんだか豪華。
中盤での風子との別れ際に「寅さんがもうちょっと若かったら結婚するのに…」と、なんと直接的な表現をする風子。だけど寅さんとしては風子を娘のように扱うのだ。そして柴又に帰ってきてから、風子が金がなくて困ってる話を聞いて新聞広告を出す寅さん。しかしやってきたのはオートバイサーカスのトニー(渡瀬)だったのだ。渡世人同士だからよくわかるとか言って、「風子からは手を引け」などと詰め寄ってしまう…
やがて普通の人と結婚することになって、家族みんなが招待されるが、予想としては寅さんは欠席すると思っていたのに…熊に襲われるというオマケつきだった。振られたわけでもない寅さん。冒頭のタコ社長のように、娘を嫁がせる親みたいな気分だったのだろう。それにしても佐藤B作がストーリー的にものけものにされて可哀そうw
劇場公開日 1984年8月4日
1984年製作/102分/日本
配給:松竹
山田洋次監督53才
渥美清56才
倍賞千恵子43才
中原理恵26才
秋野太作41才
佐藤B作35才
美保純24才
渡瀬恒彦40才
マドンナは田辺エージェンシーの売れっ子だった中原理恵。
美保純がタコ社長の娘役で初登場。
寅さんは北海道で中原理恵、佐藤B作、渡瀬恒彦らと出会う。
北海道から東京に来た中原理恵は寅さんと渡瀬恒彦の間で心が揺れる。
ストーリー、脚本は大したことは何もない。
山田洋次監督はこういう作品を量産してきたと思う。
満足度は5点満点で2点☆☆です。
「男はつらいよ」シリーズ第33作。
Huluで「HDリマスター版」を鑑賞。
釧路で出会った風子―。美人であることと気の強い性格であるが故に、いろいろと理不尽な目に遭ったり、様々な偏見に晒されたりと大変な苦労をして来たようで…。
理容師の資格を持っているために、床屋で雇ってもらおうと飛び込みで訪ねるも門前払いの連続。そんなときに客として来ていた寅さんが風子に声を掛けたのでした…。
ふたりで旅をする中で、偶然出会ったオートバイサーカス団員のトニーが風子に言い寄って来て…。トニーの崩れた雰囲気に次第に惹かれていく風子を心配する寅さんでしたが…。
一歩道を踏み外すと自分のようになってしまう危うさを持った風子を、優しく諭して導こうとする寅さん。その想いを分かりながらも、まるで呪いに囚われているかのようにそんな生き方を選んでしまいそうになる風子。
ふたりの一筋縄で行かない関係性がとてもエモーショナルでした。お互いの心を知りながらも、それを上手く言葉に出来ずに擦れ違ってしまう…。お節介だと拒絶したくなってしまう。だけどどこかでは通じ合っている…。
ラストの熊騒動に大爆笑!(笑)
中原理恵の顔立ちは癖があって苦手なタイプで、あんまり夢中になれないマドンナだったが、ちょっとしか出番がなかった渡瀬恒彦の退廃した感じがあまりに魅力的でたまらない。サーカスのバイクでは『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』のライアン・ゴズリングも似たような役どころで被る。そんな彼の魅力に参って健康まで害している中原理恵の気持ちを理解せず勝手に、話を付けに行った寅はやっぱり男女の営みを何もわかっていないと思わざるをえない。
渡瀬恒彦に立腹していたおばちゃんもちょっと変だった。魅力に参ってしまいそうでそれをせき止めるために声を荒げていたのではないだろうか。目の敵にしすぎだ。
そんな渡瀬恒彦が暮らすアパートが風呂なしトイレ共同の四畳半みたいなところで、やたらとリアル。
前回の反省をしたのか寅が完全に恋の舞台から降りていて、中原理恵からおじさん扱いされてもひるまない。
満男がブラスバンド部でフルート。
タコ社長の娘が美保純で結婚式。ところが結婚相手も奥さんも一切出なかった。美保純はいちいち仕草やセリフが決まっていてかっこいい。特に参道を歩くときに舌を出すのが最高だ。
夢がいつもの空想に、原点回帰か?違った。冒頭では柴又に帰ってこない。
・あけみ、初登場。うちの姪にクリソツ(笑)社長への挨拶に泣ける。満男は中学生、吹部に。
・登、超久しぶりの登場。そしてこれが最後…これで最後…悲しすぎる、寂しすぎる。
・マドンナは中原理恵。あまり共感を呼べない設定なのがかわいそうだった。
・佐藤B作、要るか?「ネクラ、さくら」の為だったと言って過言ではない(笑)
・渡瀬恒彦、要るか?1番中途半端な役でなんだか気の毒だった。
・マドンナの顛末に唖然。そしてラストのドタバタ…うーん、なんとも。