四人の幼い子供たちを残して、妻に死なれた大学教授が、男手一つで育てあげる二十年間の生活記録。それは一見淡々たるものではあったが、起伏の多い嵐のような一生であった。島崎藤村の名作より「男の魂」(原案)の菊島隆三が脚色、「囚人船」の稲垣浩が監督、同じく飯村正が撮影を担当する。主な出演者は「晴れた日に」の笠智衆、四人の子供に「囚人船」の山本廉、大塚国夫、「現代の欲望」の久保明、「ロマンス娘」の雪村いづみ。他「女囚と共に」の田中絹代、中北千枝子、「のんき夫婦」の加東大介、「飯沢匡作「二号」より
ある女の場合」の東郷晴子など。
嵐(1956)評論(1)
2015/08/25、川崎市市民ミュージアムで鑑賞。
TSUTAYAのレンタルにも在庫がどこにもないようなので、この機会を逃したら観ることができないだろうと思って足を運んだ。
四人の子供の末っ子を産んだ直後に奥さんが亡くなり、男で一つで子育ては無理ということで親戚などにバラバラに預けていた子どもたちを、呼び戻すことにして、女中さんと一緒に子育てに奮闘するという話。
タイトルこそ嵐という風に付いているが、今時のドラマみたいに特別子どもたちも非行に走ることなく、どこの家庭にもあるようなちょっとした兄弟間、親子間のいさかいを繰り返しながらみんな真っ直ぐ育っていく過程を丁寧に描いている。今じゃこういう作品は作れないだろうなあ。
ちょっと睡眠不足だったせいもあって、途中眠くなったりしたけど、鑑賞後、清々しい気持ちになれるいい作品でした。
ところで、映画の中で末っ子の未子が初潮を迎えるシーンが有るのだけど、その時が17歳ということに驚いた。今の娘ならおそらく、小学校の5,6年から中学生くらいでしょう。しかも作中で田中絹江演じるお手伝いさんのばあやに、今時の娘は早いですね、とか言われちゃってるし。当時はほんとにそんなに遅かったのだろうか、食糧事情でそんなに変わるものなのかな。