ナイル殺人事件(1978)
プロット
アメリカ
12月09日 1978 台灣上映
ウエヤ殺人事件
プロット
イギリス
01月01日 1900 台灣上映
タロットカード殺人事件
プロット
イギリス
10月27日 2007 台灣上映
ケンネル殺人事件
プロット
アメリカ
01月01日 1900 台灣上映
モンテカルロ殺人事件
プロット
アメリカ
04月16日 1994 台灣上映
ローラ殺人事件
プロット
アメリカ
07月01日 1947 台灣上映
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ナイル殺人事件評論(13)
ゴールデングローブ賞にもノミネートされ、アカデミー賞の有力候補でもある『ベルファスト』や『マイティ・ソー』などの監督としても活躍するケネス・ブラナーが2017年の『オリエント急行殺人事件』に続き、アガサ・クリスティ原作作品を映画化し、自身もポワロ役を再び務めた。
今作では、ポワロのトレードマークである口ひげの意味が、過去のフラッシュバックを交えながら描かれる。今作のテーマは「愛」ということもあって、ポワロ自身が愛した女性の過去を描いている。ブツ切りのようにフラッシュバックされたり、セリフの中で語られるだけに留まっていることから、まだシリーズを続けるための伏線のような感じもする。
サロメ(ソフィー・オコネドー)が作家から歌手に変換されているといった、細かいキャラクター設定の変更や『オリエント急行殺人事件』にも登場したブーク(トム・ベイトマン)が再登場するなど、映画ならではの新要素もあるが、本筋はそのまま描かれているため、原作や1978年のジョン・ギラーミン版、『名探偵ポワロ』などで、あらすじや結末を知っている人にとっては、謎解きの部分での新たな驚きやミステリー要素というのは、薄れてしまう。
その代わりに俳優たちの演技や演出、ポワロの過去、エジプトの建造物シーンなどを盛り込むなどして、視覚的に楽しめるように工夫されている。
全く原作も映像化作品も観たことがない場合は、変に予習しないで、できるだけ初見で観た方が楽しめるだろう。
原作は古典中の古典。ストレートに描かれていることもあって、何か難解なトリックが隠されているのではないかとか、怪しい人物は逆に犯人ではない、逆にこの人は殺されない……とか、様々な変化球のミステリーやサスペンスとうものを、散々観てきてしまっている現代人だからこそ、あえて見過ごしてしまう、シンプルな着目点というものをメタ的に扱った作品であり、観客体感型ともいえるだろう。
事件が起こるまでに、映画の半分が消費されるだけに、何気ない会話のシーンは、かなり眠気を誘われるが、そのシーンを耐え抜くと、後半は事件が畳み掛けるように巻き起こっていく。
『モンスター』『ワンダーウーマン 1984』の監督パティ・ジェンキンスが、ガル・ガドット主演で『クレオパトラ』の再映画化を企画していることを知っていてのネタなのかは不明だが、ガルが劇中でクレオパトラのコスプレをするシーンがある。
もともとジャレッド・レトに似ていると言われていた、ラッセル・ブランドが今回は別人のように変身していることもあって、『ハウス・オブ・グッチ』などで変幻自在なカメレオン俳優としての印象を強くしていることから、逆にジャレッド感が増してしまっており、ジャレッドの変装と間違えてしまうかもしれない。そこも視覚的に狙ったのか??
映画は第一次大戦のシーンで始まり、若き日のポアロの姿と口髭を蓄えるに至った理由が語られている。ポアロの人生の大きな転換点となった話であり、今作の大きなテーマの「愛」に関わるエピソードとして話の奥行きを与える趣向である。愛が目的で殺人を犯す者もいれば、忘れられぬ愛のせいで自分の一生の送り方を決めた者もいるということである。このエピソードに限らず、この映画は尺の使い方がかなり贅沢な感じを受ける。先を急がずそれぞれのシーンを大事にする姿勢が感じられる。127 分という普通の長さの作品でこの姿勢を貫くのは大変だと思うのだが、ストレスは感じられなかった。
原作と前作で作家という設定だったサロメは黒人歌手に変えられ、娘設定で前作ではオリビア・ハッセーが演じていたロザリーも、それに応じて変更されていたほか、重要人物と熱愛設定になっていたのは、BLM に対する配慮だったのだろうか?音楽の要素が加わったのは良いが、英国人がアメリカの黒人音楽を好んでいるというのはやや雰囲気を乱していたような気がした。
登場人物一人一人に詰問調で迫るポアロの態度はちょっと異様であり、あの詰問がなければ、証人が犠牲になることはなかったのではないかという気がして仕方がなかった。考えてみれば、ポアロさえいなければ、死者は最初の一人だけで住んだのではないかという気がした。もっとも、それでは犯人の計画がまんまとうまく行ってしまうことになるが、犯人以外の死者は防げたような気がして仕方がない。
音楽は前作がニーノ・ロータだったのに比較するとやや小ぶりな感じを受けたが、「オリエント急行殺人事件」の音楽の人と同じ人で、非常によく映画の雰囲気を高めていた。エジプト風の雰囲気を出すためにドリア旋法を駆使しているところなどは感服させられた。前作と違ってエンドタイトルで何の関係もない歌謡曲が流れなかったのも好感が持てた。この調子でリメイクが続くのであれば非常に楽しみである。
(映像5+脚本4+役者4+音楽5+演出4)×4= 88 点。
面白かったです。
ミステリーはあまり好きではないのですが、予告編からの期待通りだった。満足です。
勿論ストーリーは良いですよ
映像にもっと力を入れて欲しかったな…
キャストはもっと選ばないとダメですね!
この作品を知らない方でも映画好きなら色々わかってしまうかも?