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ランダム 存在の確率評論(19)
自宅にて鑑賞。原題"Coherence"。小品な印象は否めないが、アイデア勝負の一作。ミラー彗星の接近を機にシュレディンガーの猫と呼ばれる量子力学上の理論に沿った並行世界もので、まるで精神疾患者の頭の中を覘いている様な物語。徐々に訪問者が増え、登場人物達がホームパーティーに八人揃う前後の畳み掛ける様な会話で展開される前半に、ブツ切りの編集も取っ付き難かった。よくよく考えると理論的に矛盾した様な描写や展開もあるが、それらを逆手に取った様な開き直ったラスト。導入部を乗り越えれば愉しめる。60/100点。
・箱に詰める際、8人がサイコロを振り三色のライトがあるとの事で、6の8乗×3と云う計算がなされるが、8人には順列が無いのでこの数字(計算)は明らかにおかしい。更にE.フォクスラーとクレジットされたE.バルドーニ演じる“エム”が倒れるシーン、他の演者七人が集まる部屋の右側にブームマイクが写り込んでしまっている。
・エンドクレジットで"Galaxies"という曲のライター・パフォーマーに"Laura Viers"と表示されるが、正しくは"Laura Veirs"である。他にも細かな綻びやグーフシーンが散見出来る。
・“エム”のエミリー.バルドーニ(E.フォクスラー)を始め、“ベス”のエリザベス・グレイセン、“ローリー”のローレン・マハー、“リー”のローリーン・スカファリア、“ヒュー”のヒューゴ・アームストロングと、実名に由来すると思われる役名の出演者が多い。
・製作費は50,000ドルで、同じロケ地を使い、僅か五夜にて撮り終えたと云う。決め科白以外の多くはアドリブによるものだったらしい。
・鑑賞日:2016年5月1日(日)
理解せず観て面白くないと感じてる人が多いみたいで残念です。こんな面白い映画を…。
途中経過から推測すると、エムも言っていたように一度暗闇を抜けると元の次元には戻ってこれません。なので最初に出て行ったアミールとヒューは戻ってきたときにはもう違う次元の人々なのです。
また、途中でエム、ケヴィン、ローリー、マイクの4人で外に出ますが、ここで4人が帰ってくる家もまた別の違う次元で、そのあとも同じようなことが繰り返されます。
終盤のエムの行動は、もう元通りにはならないであろう、不幸な世界(ケヴィンとローリーとの関係がエムにとって不快であるので)から抜け出して幸せな世界へと現実逃避で入り込もうとするわけです。
車で眠らせたその幸せな世界の住人エムはトイレで主人公エムによって殴られますが、翌日トイレからベスが出てきたことより、逃げ出したと予測できます。
なのでケヴィンの電話の相手は主人公エムがニセモノだという主旨の電話をかけてきたのでしょう。
何回観ても面白い。誰か内容をしっかりと理解した人と語り合いたいような映画です。
解決とか解決しないとかではない。
スリラー。
わかりづらいところもありましたが低予算ながらなかなか謎めいて面白かった。
着想はいいと思いますが、ちょっと頭がついてかないとこもあって疲れました。
かなり低予算の映画みたいだけど、話は面白いから、もっと金掛けてほしい・・・