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Summer of 85評論(20)
墓で踊るシーンも同様。
こういう類いの映画は「君の名前で僕を呼んで」と嫌でも比べられるから、差別化を図る意味で事件性を持たしたのかもしれない。
主人公が着たセントジェームスのオーバーサイズのボーダーが良かった。
監督が熱望していたという、原作ありの「おれの墓で踊れ」の映画化という。
内容はひと夏の恋で間違いはないのだが、ゲイとしてのアイデンティティーをこの両者がどう獲得するのかが見どころになると思われたが・・・
今ひとつ過去作と比べひねりが足らない。こんなあっけない死になると、ダヴィッドの母親の取り乱し方もさもありなんという感じになってしまう。
青春はあっけなく後悔とともに閉じるなんて。誰が決めたん!?
もっと謳歌して生きて愛してほしかったなぁ
ダヴィドは憎いくらいの人たらしで超絶魅力的。
わたしも身近にこんな人がいたら凄く刺激的で魅了されるだろうから、
アレックスの苦しさが胸に沁みて沁みて…
風景の美しさ、ノスタルジーな雰囲気、爽やかだけど色気があって、儚い…
だけどアレックスにはどこか現実的な人間味を感じて。
とても印象に残る作品でした。
1985年、夏のフランス、海に近い小さなとある町。
2年前にこの地に引っ越してきて両親と暮らす16歳の少年アレックス(フェリックス・ルフェーヴル)。
ある日、友人の小型ヨットを借りて沖に出た彼は、天候の急変で転覆してしまう。
幸い、近くを通りかかった18歳の少年ダヴィド(バンジャマン・ヴォワザン)のヨットに救助され、ふたりはその後意気投合し、やがてその関係は友情を越えたものになっていく・・・
といったところからはじまる物語で、フランソワ・オゾン監督によるストレートなボーイズラヴもの。
青春の儚い日々をいつくしむように全編フィルム撮りされた映像は瑞々しい。
80年代という空気感を表現するのに、このフィルム撮りは必須だったでしょう。
アレックスにとっては「初恋」と呼ぶにふさわしい、ダヴィドへの想い。
しかし、自由人であるダヴィドはアレックスだけでは飽き足らず、英国からやって来た21歳の女性ケイト(フィリッピーヌ・ヴェルジュ)とも関係をもってしまう。
「きみだけでは物足りない、そして、きみはぼくを束縛する、自由になりたかった」とダヴィドは言うが、本心のところでは、アレックスを試しているともいえる。
嫉妬に駆られたアレックスは激昂し、ダヴィドのもとを飛び出すが、バイクで後を追ったダヴィドはスピードの出しすぎで事故ってしまい、帰らぬ人となってしまう。
「どちらかが先に死んだら、残ったほうは、死んだほうの墓の上で踊ろう」との誓いどおり、アレックスは実行に移すが、その想いは周囲のひとびとには通じない・・・
1985年という時代は、周囲のひとびとは、アレックスの行為を常軌を逸したものと捉えており、まだまだ同性愛に対する理解は進んでいなかった。
そんな時代だった。
映画のラスト、アレックスは気を許せそうな新たな友をみつけるのだけれど、瑞々しい初恋がぶっ壊れたような感じで、個人的には余計な付け足しに感じられました。
このラストで大幅減点です。
アレックスを演じたフェリックス・ルフェーヴル、ダヴィドを演じたバンジャマン・ヴォワザン、どちらも意外と垢抜けない感じで、個人的にはいまひとつかなぁ。
たとえ他から理解されなくても、文学的で哲学的でとても美しい。
出会いから別れまでひとつひとつのシーン、音楽がかっこよくて綺麗でその時代を描いてるのがいい。
昔の映画を見てるようで、でも新しくて。
悲しいけど、前を向いて生きたくなる映画だと思う。
あとアレックスがとても綺麗で可愛くて、肌綺麗でこれはドキドキするし一目惚れするよって思いました。