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座頭市 THE LAST評論(19)
座頭市とその妻への復讐と言う単純な構図で進めてくれれば良いものを複数の複雑怪奇な登場人物と人間関係、『なんで…』的な摩訶不思議な作品だった。
仲代達也氏独特のアクの強い悪党の親分、原田芳雄氏のユーモア溢れる医者、工藤夕貴の女房役などファンとして楽しめたが、座頭市との関係性がなんとも中途半端で残念。
役作りに苦労する役者サイドの顔が浮かびます。
キャスティングに加藤清史郎氏を選ぶあたり映画製作を流行の一端にくらいにしか考えてないのでしょうね、この監督さんは…。
オリジナルを知っている人から見たら、これは日本映画が産んだ稀代の大キャラクターに対する、《冒涜》にしか過ぎない。
どれ位の凄さか?分かり易く言えば、ゴジラをハリウッドでリメイクした時の酷さに匹敵する。
《座頭市》とゆうキャラクターは、今は昔“大映”が産んだキャラクター。
今日それを元ライバルである“東宝”が、THE LAST として公開する。
当然オリジナルに対する“敬意”が必要なんじゃないんですか?
何故東宝黒澤時代劇の悪性リメイクを、座頭市のキャラクターを借りてまでやらなければいけないんですか?東宝さん!
「すいやせん」では、すいやせんぜ!
いくら出演者の中に仲代達矢が居るからって、豊原功輔に《室戸半兵衛》を演じさせ。岩城滉一:寺島進の2人併せ技で、『用心棒』での志村喬を。更には、百姓達が連判状に血の捺印を押すのは『椿三十郎』と思えるし、反町隆史が終盤に呟くセリフ「百姓には百姓…」云々と語らせいる等々。その他数多くの場面には失笑を禁じ得なかった。
豊原との闘いでは勿論『椿〜』なのだか、実に呆気ない。
最後の仲代との対決場面では、訳の解らない編集が入り込み呆気に取られれる。
編集の酷さは各所に見られ、特にいかさまを市が見破る場面では、何の説明も無くカメラは外に飛び出る。(部屋の中はどうなったんだよ?)
終盤までは冒頭に提示される、市と石原さとみとの恋愛関係が全く無意味な感じに(但し彼女の匂いがする物は常に身に付けている)見受けられる。
しかしそれに関して言えば、“或る意味”の復讐は果たすのだが…。
一応《THE LAST》と銘打っているから、あの様なラストになったのだろうが、全くもって画面を見つめながら「はあ?」と、溜め息が出てしまった最後でした。
主演の香取慎吾は、意外な程に好演している。若き日の座頭市としては適任かとも思う。でも座頭市とゆうキャラクターから、ユーモアが消えてしまったのが悲しい。
せめて「何切るか分かんないよ、見えないんだからね!」の決めセリフ位は入れて挙げて欲しかったなぁ〜。
(2010年6月8日TOHO シネマズ西新井/スクリーン3)
そもそも勝新なんて知らないし…おれからすれば勝新はレジェンド。
香取慎吾はリアルなスター。
久しぶりに涙が出そうに…
アクション時代劇ってことでたいへん楽しめました。
香取慎吾ってけっこうすごい役者!
台詞もイイし、私は、あの時代に飲み込まれた。
多くの人にスクリーンで観て欲しい作品ですね。
市の持つ、大人の深い愛と勇気。