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CODE46評論(3)
ちょっとベタベタしすぎかな。その辺は好みだが、いい加減見るのがめんどくさくなってくる。
といった感じだが、映像はとても美しい。何気なく挿入される町の遠景のカットは、センスがないと撮れません。と、いいところもある映画でした。
旅をしない恋愛ロードムービーって感じでした。
なんかねー、なんかいいんだよ!
脚本的には後半あんまりよくわかりませんでした。
ストーリーは簡単なはずなのに、正直言って、理解不能の箇所があった。それはウィルスに関する記述。共鳴ウィルスを利用して「自分のことを何かしゃべって」と相手に喋らすだけで心を読み取る能力を持っているウィリアム。しかし、他にも様々なウィルスが出てきたのだが、これがさっぱりわからなかった。クローンやクローンから生まれた子どもや指の移植、そしてテーマとなる“同じ遺伝子を持つ物の結婚や出産を禁ずる”法律。これらは理解しやすいのだが、脇を固める設定がついて行かなかった。
いつものごとくドキュメンタリー・タッチのスタンスを崩すことなくSFという新境地を開拓したウィンターボトム監督。透明な液晶パネルやビデオを映す日記帳、指紋で認識させるモバイルデータ機器といった小物のこだわりも優れていて、砂漠化した世界と管理社会を「外と中」で対比させた世界観も見事。そして上海のネオン街をそのまま利用した未来感も素晴らしい。だけど何か物足りない・・・そう、テーマが希薄すぎるのだ。
一応は近親結婚の禁止という法律と、体外受精とクローン技術の進化による没個性への警鐘のようなテーマも感じられるが、外にはじき出された側の人間描写が薄いことで、何が言いたいんだかさっぱりわからなくなった。善悪の区別もしがたいような意味不明のウィルスを登場させたり、都合が悪くなったらすぐに記憶を消すという設定も安易すぎる・・・だけど、映画っぽい作り方で全てを吹き飛ばしてくれて、何となく良かったなぁと思わせてくれた・・・この記憶も消されるのかもしれないが・・・
〈2004年11月映画館にて〉