蛇の穴劇情

「私は殺される」「栄光の都」のアナトール・リトヴァクが製作・監督した野心作で、メアリー・ジェーン・ウォードの自伝小説の映画化である。脚本は「愛のあけぼの」のフランク・パートスとミレン・ブランドが共同執筆した。撮影は「淑女と拳骨」のレオ・トーヴァーで、音楽はアルフレッド・ニューマンが作曲した。なお製作にはリトヴァークにロバート・バスラーが共同している。主演は「遥かなる我が子」「暗い鏡」のオリヴィア・デ・ハヴィランドで新人マーク・スティーヴンス、「青の恐怖」「ヘンリー五世」のレオ・ゲン、「紳士協定」でアカデミー助演賞を得たセレステ・ホルムが共演するほか、グレン・ランガン、ヘレン・クレイグ、ビューラ・ボンディ、リーフ・エリクソン、リー・パトリック等が助演している。

蛇の穴演員

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蛇の穴評論(1)

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精神病院を舞台とした映画といえば、1945年の『白い恐怖』(アルフレッド・ヒッチコック監督)が著名だろう。
翌年には、それにあやかってか『恐怖の精神病院』(マーク・ロブソン監督)がボリス・カーロフ主演で作られているが、こちらは18世紀を舞台としたRKOホラーである(私はこれを今日と同じシネマヴェーラで観ている)。
その他、『ガス燈』『らせん階段』『暗い鏡』『ローラ殺人事件』など、40年代にはニューロティック・スリラーと呼ばれる神経症的なテーマをもつ映画が多数作られている。
この時期に精神疾患や精神病院を扱った映画が増えだしたのは、アメリカでフロイトの学説が一般に流布し、精神病院への通院が一般化し始めた当時の世相と深くリンクしている点は見逃せない。ミステリー小説においても、ちょうど同時期にジョン・フランクリン・バーディンが『死を呼ぶペルシュロン』(46)や『悪魔に食われろ青尾蠅』(48)を書いたり、マーガレット・ミラーが出てきたりと、ニューロティック・スリラーが流行しはじめている。
本作『蛇の穴』にも『白い恐怖』の影響は色濃く出ており、精神分析によって過去のトラウマを突き止め、心の闇を払おうとする謎解きミステリー的な要素が顕著にうかがえる。

ただ、本作が特異なのは、実際に統合失調症で精神病院に入院し、治療が奏功して退院し社会復帰を果たした女性メアリー・ジェーン・ウォードによる半自伝的ベストセラー小説を原作にもつという点だろう。
すなわち、本作は単に舞台立てに精神病院を使った見世物的なサスペンスではない(もちろんそういった要素もないことはないが)。精神病患者が「悪化してから回復し、ついに日常を取り戻すまで」の心の旅路を描いた実録映画なのだ。
いわゆるサイコ映画は星の数ほどあるが、精神疾患を一人称視点で描き、内面で聞こえる「誰かの声」や、記憶の断絶、突発的な感情の爆発といった特有の精神現象を丁寧に再現することそれ自体を目的とした映画となると、意外に思い当たらない。

もうひとつの観点は、実際に精神病院での治療を体験した人物の「生」の証言に従って、当時の患者を取り巻く状況を一般人にも知らしめ、同時に、山積する問題点を告発していこうとの意思をもった、正真正銘の社会派映画だということ。
米国Wikiによれば、リトバク監督は撮影に入る前に、三カ月にわたってスタッフ全員参加での精神病院の見学や専門家によるレクチャーを行った。映画自体、実在するカルフォルニアの州立精神病院で撮影されている。
オリヴィア・デ・ハヴィラントも精神病院に通いつめ、オープン行事に参加し、患者たちとの交流を深め、演技プランを練りあげた。批評家が「暴力的な患者もいるのに、ほんとに接触可能なダンスパーティなんてやるの?」と記事に書いたら、「複数の院内ダンスパーティに参加した」というデ・ハヴィラント本人からの直電がかかってきたという逸話も残る。
すなわち、この映画のなかで事細かに描かれる病院の実態は、決して面白可笑しく誇張されたものではない。当時の現状をそのまま映し出したオーセンティックな描写なのだ。
実際、本作の公開によって、精神病院における改善がうながされたとされ、映画会社のリリースによれば半数以上の州で改革法が制定されたという。

いざ実見した映画自体の出来は、想像以上に素晴らしかった。

冒頭に、女性向け精神病院でのヒロインの様子が描かれ、頭のなかで鳴り響く内なる声が出てくる。ああ、これが統失患者が聴いてる声ってやつかと納得させられる。
そのあと時間を巻き戻して、ヒロインと夫が出会うまでのロマンスの話に。比較的ふつうの女性が、しだいに言動におかしさを増して、唐突に姿を消したり、記憶を喪ったりし、ついには精神病院に入院するまでが描かれるのだが、これがまた実に生々しい。
むかし『幻の女』という小説&映画で、謎めいたファム・ファタルの正体を突き詰めていったら、なんのことはない、少し頭のおかしい女だったというネタがあったが、ヒロインの日付の勘違いや失踪の理由が、タネを明かせば「本当に頭がおかしかったから」というのは、なかなかお目にかからないシチュだ。

中盤からは、ヒロインの入院生活が活写される。
とにかく、オリヴィア・デ・ハヴィラントの演技がすごい。
もともと僕のなかでは、ほうれい線の目立つババい女優(『女相続人』『風とともに去りぬ』『謎の佳人レイチェル』)という印象しかなかったんですが、本当におみそれしました。
まず、ひとりの女性のなかにある、快活でおちゃめなところと、腺病質で激情的なところが、くるくると交互に出てくる。ピーキーで不安定だけど、可愛げがあって魅力的な女性っていますよね?

さらには、「頭のくるい方」「今日の精神の状態」の演技プランが何段階にも分けて構築されていて、シーンごとに今日は「2」くらい、今日は「3,5」ぐらい調子がいい・悪いというのがヘアメイクや服装とも連動しながら視覚化されている。同じシーンのなかでも、「今日は2ぐらいに安定してたんだけど、ぱっと4まで悪くなって、そのあとじわじわ2,5くらいに戻った」みたいなことが「観てて容易にわかる」。これはなかなかできたもんではない。

1940年代の女性向け精神病院内の描写も大変興味深い。
ほとんど女囚映画に出てくる刑務所のように、すし詰めで収容される狂人たち。
病状によって病棟が10以上の段階に分けられ、下に行くほど悲惨で、上に行くほど環境がよくなるというのは、まさにダンジョンのようでもあり、「地獄」のメタファーのようでもある。患者たちは、その病状の変化によって、階層を行き来しながら、退院という「あがり」の日を目指すのだ。
それから、初期の重症期に「コミュニケーション機能を改善させる」目的で繰り返される電気ショック療法のシーンは、ほぼホラーであり衝撃的だ。これ、実はいまでも現役の治療法らしい。ちょうどこのころ、無意識化にあるトラウマを顕在化させることで症状が抑えられるという学説が認められ始めた時期だというのも、観ていて伝わってくる。
医師も看護師も基本まともで親切な人たちだが、多忙ゆえの連絡不行き届きのせいで電気ショックをやりすぎたり、いちはやく退院させようとして退院試験で負荷をかけすぎて病状を悪化させたり、なかには医師にひいきされているように見えるヒロインに邪慳にあたる看護師もいたり。
当時から、金銭目的で患者を囲い込みすぎる経営陣や、看護師の過重労働の問題があったわけだ。
ただ、「殊更感じ悪く」描こうとせず、主人公側の被害妄想や状態の悪さもあってこうなっているという描写に抑えているのは、フェアで真実味がある。

精神病患者の描写も、なかなかにリアルだ(どちらかというと、悲惨な側面はあまり強調せず、『まぼろしの市街戦』みたいにコミカルな描写になっている部分も多いが)。
少なくとも、綿密な取材とレクチャー、研究を経て作られた映画なので、実際の空気感をうつしとっている部分は大きいのだろう。
うつろな表情で奇矯な行動を繰り返す患者たちの演技は真に迫り、ほとんど現場で調達したかのようだが、実際のところ出演者は全員プロの俳優だそうだ。イギリスで封切られたときは、患者をエキストラで出演させ搾取しているとの批判を回避するため、わざわざ冒頭で「この映画のキャストはすべて有料で雇われた俳優である」とのテロップを流したらしい。

とくに印象的なシーンがふたつある。
ひとつはヒロインによって「蛇の穴」と呼称される、最下層の患者たちが蝟集する病棟の描写。これは本当にすさまじい。
問題を起こして「蛇の穴」に放り込まれたヒロインは、演説したり踊ったり暴れたりする正気を喪った悪夢のような患者たちの群れに幾重にも取り囲まれて、自分は「この人たちに比べたらまだまし」で「治る余地がある」と認識するに至る。それを表すシーンとして、だんだんカメラが上昇しながら、「穴」のなかにいる患者たちを鳥瞰してゆくのだが、これはまさに地獄そのもの、というか、「蟲毒」さながらである。

もうひとつは、男性用精神病院と合同で行われるダンス・パーティのあと、患者全員が壇上の歌手のほうを向いてドボルザークの「家路」を歌うシーン(カメラは歌手視点)。
幾十、幾百ものうつろな精神病者の顔が、同じ方向を向いて、目に涙をためながら、「Goin' home, goin' home, I'm a goin' home」と歌うのだ。
情感に訴えかけながらも、どこか空恐ろしいところもある、なんだか一生忘れられないような名場面だった。
なお、本作には御大アルフレッド・ニューマンによる流麗でムーディなスコアが付されているが、ところどころで既存のクラシックも活用されており、「家路」もその一環である。冒頭近くのデートシーンではワーグナーが一瞬流れ(40年代のボストン響といえばクーセヴィツキーだが、本物だろうか?)、別のデートではブラームスが流れる(映っている演目はブラ3だが、流れているのは明らかにブラ1の4楽章だったような・・・)

題材的には、おそらく今後つくられることはまずないだろう映画であり、だからこそ、その完成度の高さが喜ばしい。
キワモノでもなんでもない、正真正銘の名画である。デ・ハヴィラントのファンのみならず、多くのみなさんにご覧いただけることを願ってやまない。

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