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コップランド評論(9)
国家権力を握る警察官が集団になって町を作れば、いつしかそこは仕事を離れても警察官が権力を握る場所に変わる。組織的に汚職にまみれ不正を隠す不法集団と成り果てた彼らは、アメリカというよりもどこかの発展途上国の警察のようだ。面白い設定だしこのような組織にどうやってスタローンとデ・ニーロが切り込んでいくのか、楽しみにしながら見ていた。
だがスタローンが出てくるわりに派手な活劇は控えめで、力で敵を圧倒するわけでもないし、そうかといって証拠を押さえて法律で正義を敢行するだけなわけでもないやや中途半端な展開。むしろかなり地味でさえない役柄。今回のデ・ニーロはとても地味であまり表だった活躍はしないし存在感がない。今まで見たデ・ニーロ出演作品で一番目立たなかったかもしれない。一つの町を牛耳る組織ぐるみの犯罪に立ち向かう物語はなかなか良かったしそこそこ面白かったが、登場人物にあまり魅力を感じなかった。二人とも好きな俳優なのだが、いつもの役柄と違うというのもあったのだろう。
結局、どうしたかったのか、ちょっとわからない感じだった…。
感動とかはなく、ただ、淡々と進んだ。
力は発揮され素晴らしい演技を披露したスタローンは本作でオスカーにノミネートされるべきだった。
諦めてばかりの人生を弱々しい表情とユルんだ体型でフレディ役を完璧に演じてみせた。
デ・ニーロの出番が少なくてH・カイテルと対峙したりスタローンと葛藤したりする場面を増やしても良かったのでは?
個人的、スタローン最高傑作、演技的に。
体重を増量して気弱なボンクラ保安官に挑んだスタローンの脇を固めるのは、盟友デ・ニーロとハーヴェイ・カイテル。
スタローンのカッコイイアクションがない地味な作品だけど、凄く良かった。
何も選ばずにきた男が最後の最後に決断するという物語は、若い時だったらピンと来なかったかもだけど、今見るとグッときてしまう。