「失はれた地平線」「チップスさん左様なら」のジェームズ・ヒルトン作の小説の映画化で主役は「キューリー夫人」のグリア・ガースンと「消え行く灯」のロナルド・コールマンが勤める。「大地」のクローディン・ウェストが、ジョージ・フローシェル、「紅はこべ」のアーサー・ウインベリスと協力して脚本を書き「キューリー夫人」と同じくマーヴィン・ルロイ監督、シドニー・A・フランクリン製作、ジョゼフ・ルッテンバーグ撮影のスタッフによってものにされた。助演は新人フィリップ・ドーン及びスーザン・トラヴァース、レジナルド・オーウェン、ライス・オコナーその他で、ピータースを除けば全部英国俳優のキャストである。
心の旅路評論(11)
妻は密かに、経営者となった夫の秘書となり、すぐそばで夫を見守り続ける。
遠回りしながら、夫の記憶を蘇らせていく妻ポーラの献身的な姿に心が震える。
そうして少しづつ記憶をたぐり寄せていく夫。
耐えることは、悲しく切なく、美しい。
素晴らしい作品に出会えた。