ケレル

観たこともないような独特な世界観。ゲイ達が集う港街、奇抜なファッションに幻想的なセットと音楽、それらが織りなす独特な世界観が何処かノスタルジックで心地が良い。ファスビンダー監督が彼自身の同性愛の恋人だったエル・へディ・ベン・サレムに捧げた作品。ドイツで刺傷事件を起こした元恋人サレムはファスビンダー監督の援助でフランスへと逃亡。しかし逃亡先のフランスで捕まり、1977年に勾留中の刑務所で死亡した。ファスビンダー監督は1982年に本作を捧げるまでサレムの死を知らなかった。本作には原作があるがファスビンダー監督自身の同性愛の孤独な苦しみとサレムの友情に対する溢れんばかりの感謝の気持ちがこれでもかという程に詰まっている。正にファスビンダー監督の魂の叫びの様な作品。荒々しくエモーショナルな丸裸な思いにグッと来るものがあった。
真の友を失ったファスビンダー監督は後を追うようにして本作の編集中にコカインの過剰摂取で死去。亡くなった親友に捧げた作品が彼自身の遺作となった。

男だらけで愛憎入り混じる展開の中、紅一点の筈がナゼに婆さん？と思いきやJ・モローだった！？

不思議な世界観と独特な雰囲気のセットに艶かしい映像など興味は唆られるが、男同士の描写がリアルで怖い。

細かいけれどSUZUKIのバイクは時代に合っていない。

妄想？現実？全体的に主人公の行動や思考など理解は出来ない哲学的なゲイ映画。