アイルランドの貧しい家族の姿を描いた感動ドラマ。監督・脚色・製作は「エビータ」のアラン・パーカー。医師役で出演もしている。原作はフランク・マコートが自らの少年時代を綴ったピュリッツァー賞受賞の同名小説。音楽は「スター・ウォーズ
エピソード1」のジョン・ウィリアムス。出演は「クレイドル・ウィル・ロック」のエミリー・ワトソン、「ワールド・イズ・ノット・イナフ」のロバート・カーライル、新鋭のマイケル・リッジ、キアラン・オーウェンズ、ジョー・ブリーンほか。2000年ロンドン映画批評家協会最優秀主演女優賞、ラスヴェガス映画批評家協会最優秀作曲賞を受賞。
アンジェラの灰評論(4)
しかし、タイトルの「アンジェラの灰」のアンジェラがお母さんのことだということに気づいたのはエンドクレジットが出てきてからだった。
しかも、エミリー・ワトソン演じるこのお母さん、いくらなんでも老けなさすぎる。それは、途中でいなくなってしまうお父さんもしかり。
主人公を何段階かの子役を使って成長させたの比して、両親の歳の重ね方が描きこまれていないことに違和感を感じた。
ジョン・ウィリアムスの音楽は良かった。
エミリー・ワトソン、ロバート・カーライル共に地味ながら感情を抑えたいい演技を見せる。二人の名演を観るだけでも価値がある。主人公フランクを子役含め3人で演じるが全て良く、ここにもパーカーの演出の巧さを再確認する。
階段上に置いてあるバケツに親子で小便するシーンが頭に残ってしまった。。。貧乏の中にあっても笑えるシーンを取り入れようとしてあるのだが、これがまた笑えないんですよね。
1930年代、一家の息子の一人フランキーの青春物語なのだが、後半渡米したいという一心で強欲ババァから金を盗んでしまう。しかし、そのままアメリカへ。この時代の特徴である戦争については全く触れずにいることが不自然。小さな贖罪はあるものの、母親を殴ったことは懺悔しただけ、金を盗んだことには何も触れない。これで自由の国で新しい人生を送ってもどうかなるのか?何を言いたい映画なのか、最後にはわからなくなった。ま、自伝だからなぁ・・
こんなに美しい雨の映画はない。