一流法律事務所に勤務する弁護士ベケットは、自分がエイズに感染したことを知る。やがて会社はベケットに解雇を宣告。エイズ患者に対する不当な差別だとしてベケットは訴訟を決意し、以前は敵として法廷で闘ったことのあるミラーに弁護を依頼する。ミラーはベケットがエイズ患者であり、かつ同性愛者であることに偏見を抱き、一度は依頼を断るが、それでも偏見や蔑視と戦おうとするベケットの姿に心を打たれ、弁護を引き受けることに。しかし、裁判は日に日に衰弱していくベケットとその関係者にとって過酷なものになっていく……。自由と兄弟愛の街フィラデルフィアで展開される裁判の行方を描いたドラマ。ベケットを演じたトム・ハンクスがアカデミー主演男優賞を受賞。ブルース・スプリングスティーンによる主題歌も歌曲賞を受賞した。
フィラデルフィア評論(20)
人間は平等である
これがこの映画の大きなテーマとなると思います。
どんな人種、セクシュアリティ、病気を持った人間は平等である。
今でこそ差別、偏見は良くないという風潮にはなっているがこの頃はまだ理解が広がっていなかった。だから法の前では平等ではあったが社会にでるとそうではない時代。
ゲイなどの同性愛の映画は見てきたがエイズによる偏見の映画は初めてでシミが出る症状とかは知りませんでした。
そして、
エイズでどんどん体が弱るトムハンクスは見てられませんでした。このトムハンクスの圧倒的な演技力がこの映画の見どころの一つです。
個人的にグッと来たところは、アンディーが倒れて病室に家族がたくさん集まってアンディーにそろそろ帰るねと告げるシーン。
「明日またくるよ」
「神のご加護を」
「…………」(泣きながらアンディーに抱きつく)
「一番にくるわ」
そして最後家族みんなが行ったあとミゲルはアンディーにひたすら手にキスをする
そしてアンディーは「もう逝ける……」
すごく切なかったです。
家族愛に溢れてて本当に素敵。
考えさせられるストーリーだが、押し付けがましくなくすんなり受け入れられた。
デンゼル ワシントン様。
『フライト』で思いっきりクズ発言してごめんなさい💦💦💦
役が上手なだけでしたね。
新進気鋭の弁護士、アンディ・ベケット(トム・ハンクス)は、高名なウィラー弁護士事務所に雇われ、建設訴訟で活躍し、上級弁護士に昇格するが、”ある理由”である日、いきなり”重要な訴状を紛失した”として、馘首される。(訴状は直ぐに書類室で見つかる・・)
アンディは、訴訟を起こすべく弁護士を探すが、9人に断られ、10人目にジョー・ミラー弁護士(デンゼル・ワシントン)と出会う。ジョーは同性愛者を嫌い、最初はアンディの弁護を断るが・・・。
■印象的なシーン
・ジョーに弁護を断られたやせ細り、青白い顔のアンディが自ら訴訟を起こすべく、図書館で調べものをするシーン。図書館職員から本を手渡された後に”個室を使いませんか・・”と何度も言われるが、断り必死の表情で作業をするアンディ。
偶々居合わせたジョーは最初、本で顔を隠していたが、アンディの姿を見て弁護を決める・・・。
・ジョーを励ます家族や”友人”ミゲル。その際の母の言葉。”私は偏見に負ける子は育てていない・・”
・法廷での、ジョーと被告側女性弁護士ベリンダ(メアリー・スティーンバージェン:最近、お見掛けしないが遣り手のベリンダを好演。)の駆け引き。
ー今作は訴訟モノとしても見応えがある。ー
・ウィラー弁護士事務所で働く有色人種の女性の発言。”アメリカ製のアフリカ風のアクセサリー・・・”
-ウィラー弁護士事務所で働く白色人種たちの偏見性が見事に暴露される。-
・法廷で、アンディが自らの胴体の痣を陪審員たちに見せるシーン。どよめく人々。ジョーはアンディに”ウィラー弁護士事務所で働いていた時には顔に幾つか同じような痣があったのか?”と確認するシーン。
そして、とうとう法廷で倒れ込むアンディ。
・陪審員たちの”決”を取るシーン。478万2000ドルの損害賠償を勝ち取るアンディとジョー。だが、ウィラー弁護士事務所側は上訴へ持ち込む・・。それを横目にアンディとジョーはお互いの”弁護士”としての力量を称え合う。
・病床に横たわるアンディ。死期が近い事が分かるほどの衰弱の状態。
ー当時、トム・ハンクスの役作りが激賞されていたなあ・・。ー
アンディが元気だった頃から言うジョークを口にする。”弁護士1000人を海に沈めたら、世の中良くなる・・。”
そして、皆がアンディをハグし去る中、一人残ったミゲルに振り絞る様に言うセリフ。
”これで、もう逝ける・・・”
ー最初に鑑賞した際には、彼のこの一言で落涙した・・。-
<映画館で鑑賞した時には、トム・ハンクスの激やせ振りに驚かされ、涙した作品。
今にして思えば、”差別”をテーマにした先見的な作品の一つでもある。>
主演のトム・ハンクスが建物を出て途方にくれて笑顔で空を見上げるシーンやいつもはギラギラしているバンデラスの別人のような優しい目・・・。そして何よりもデンゼル・ワシントンの知的で正義感あふれる演技。
ストーリーは単純な話だがこの3人の演技観るだけでも価値がある。