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バーディ評論(10)
という名言があります。
ラストがとっても印象的
これも一種のカタルシス?
共にベトナム戦争で心身に傷を負った親友同士の若者二人のドラマ。
とあるいざこざがきっかけで親友になったバーディとアル。
性格などは真逆。
女の子をナンパしたり、“THE若者”なアルに対し、バーディは人付き合いが苦手。でも何故か、妙に気が合う。
そんなバーディが何より好きなものは、鳥。
それはそれはもう、異常なほど。
頭の中で考えている事は鳥の事だけ。女の子より鳥。鳥のように空を飛びたいと、自家製の羽根で飛んでみたり(勿論、失敗)。挙げ句の果てに、小鳥を飼って“恋人”として溺愛。
さすがの親友アルも、バーディの鳥LOVEに呆然…。
ベトナム戦争が深刻化し、アルは戦場へ。
バーディも。その出兵前、ある悲劇に見舞われ、心に傷を負う。
地獄のような戦場。
そこでバーディは、空を自由に飛ぶ鳥たちを見る。
バーディの心は、飛び立った…。
顔を負傷したアル。
とある精神病院に呼び出される。
そこで見たものは、精神を病み、病室でまるで鳥籠の鳥のようにうずくまるバーディの姿…。
担当医の提案でバーディの治療に協力する事になったアル。
立ち直らせようと必死にバーディに語りかけるアルだが…。
病院での現在と、戦争に行く前青春を謳歌する二人の過去が交錯。
とりわけ過去シーンはほろ苦さを滲ませつつ、所々ユーモアも交え、二人の青年の青春と友情物語になっている。
現在シーンは見てて辛く感じる時も。
虚ろな目で放心状態のバーディと、必死に呼び掛けながらも時折苛立ちを隠せないアル。
看護婦は協力的だが、担当医はシビア。
また、二人が体験したベトナム戦争シーンもなかなかに恐ろしさを感じさせる。
幻想の中で“鳥”となったバーディ目線のカメラワークはピーター・ガブリエルによる独創的な音楽と相まって不思議な浮遊感。
過去シーンは繊細、現在シーンは難演。マシュー・モディーンの演技が見事。
過去シーンはちょいチャラ気味、現在シーンは受け身の演技。ニコラス・ケイジも好演。
ベトナム戦争を題材にした作品はシリアスで重くなりがちで、後味悪いものも。
本作もその類いと思っていた。ラストまでは。
ラスト、思わぬ痛快さ、爽快さ。
ラストシーンなど、つい笑いが込み上げてしまったほど。
シリアスで辛いシーンもあるが、考えてみれば作品の大部分が親友二人のドラマが語られる。
戦争や不条理なこの世の中、過酷な現実にも屈しない、今を生きる若者たち。
大空を自由に飛ぶ鳥のように。
簡単にポイントだけ記せば、
アル(ニコラス・ケイジ)と”鳥になって空を飛びたい”という相当変わった青年バーディ(マシュー・モディーン)のハイスクール時代からの友情がベース。
”ベトナム戦争”で傷ついた2人:アルは顔を、バーディは神経を・・。
戦場を離れた二人。そしてアルにバーディを救って欲しいと連絡が入る。
バーディはアメリカ軍の収容所で治療を受けていたが、鳥が羽を閉じているような格好で動かない・・。懸命にハイスクール時代の話をするアル。
そして、漸く漸くアルにだけ昔と変わらない口調で話し始めるバーディ。だが、他の人には”話すことが無い・・”といって無反応。
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バーディだけがPTSD(鑑賞当時は、こんな言葉はなかったが・・)なのではない、アルもベトナム戦争の被害者なのだ・・。(それは、アルがバーディに話しかけ続けているうちに判明する)
<二人の稀有で強い友情と、強い反戦の想いを込めた映画。
若き日のマシュー・モディーンとニコラス・ケイジの演技も楽しみたい作品である。>
<1985年9月劇場にて鑑賞>
<その後、数度DVDにて鑑賞>
どんな人と見る・・誰とでも
感動・・考えさせられる
ハンカチ・・要りません
DVD出たら・・観ます
他人には・・勧めます
総評・・
鳥になって大空を飛びたい青年が、戦争体験後に精神を病み、鳥籠にうずくまってしまう。
昔の彼を知っている友人(ニコラス)一生籠の中でいいのか!
もう一度大空を飛ぼうよ!と必死に彼を助けようとするお話。
戦争は物の破壊と肉体の破壊を連想させられるが、精神的に破壊さてた人も忘れてはいけない。
鳥をたとえて良く表現された優作です。
若き日のニコラスもかっこいい。