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シルミド SILMIDO評論(10)
そこがとても良い。
過酷な訓練を乗り越えていざ作戦決行というその夜に作戦中止命令が出される。その後は何も出来ずただ待機。韓国に暗殺部隊があったなんて外に情報もれたら野蛮な国だと思われるから684特殊部隊は皆殺しにするように命令が出される。
国家の命令を受けた隊長が訓練を担当していた空軍の幹部にその命令を伝えるところを、684特殊部隊の班長の一人にわざと盗み聞きするようにし向ける。チョ中佐は殺すことに猛反対する。そのチョ中佐に出張命令出て、班長達が皆で見送る場面以降が激しい。
シルミド 「実尾島事件」の真実を読めばわかるけど設定内容が違うし話も結構違う。
救いのないストーリーではあるけど、部隊を救おうとしていた人達もいた。
究極なのは訓練シーン…酷かった。安っぽくて観るに絶えなかったです。
残忍とも思えるほど厳しい訓練を受ける兵士を映し出す前半は、それほどいい出来の映画じゃないと感じたのだが、途中から重大なポイントに気付いてしまう!誰に感情移入しようかな~と凝視すると、訓練兵の名前がわからないのだ!・・・そう、この名前に関するテーマがかなり大きく、殺人マシーンとしての人間、暗殺集団の彼らにはアイデンティティが与えられていないことを表現していると感じさせます。そして、その個性の象徴“名前”がラストに結びつくという伏線の素晴らしさを痛感しました。
しかし、KCIAがもっと残忍であるという事実や、実際の684部隊はもっとひどかったという裏話、人質に対する無神経な扱い、思想がイマイチわからない点などを考慮すると、減点要素も大きい。それでもかなりいい出来なのですけどね・・・