コンプリシティ 優しい共犯劇情

短編「SIGNATURE」が第70回ロカルノ国際映画祭などで高い評価を受けた近浦啓監督の長編デビュー作。中国人青年チェン・リャンは技能実習生として日本にやって来た。中国の家族たちの期待を背負って来日したものの、劣悪な職場環境から逃げ出してしまい、チェン・リャンは不法滞在者となってしまう。そんな彼は他人になりすまし、そば屋で働き口を見つける。そば屋の主人・弘は良好でない息子との関係もあり、心に孤独を抱えていた。口数が少なく不器用で、厳しくも温かい弘の人柄に父を重ねるチェン・リャン。彼の嘘に気づくことなく、次第に情を深めていく弘。2人はまるで親子のような関係を築いていくが、チェン・リャンに警察の手が迫っていた。チェン・リャン役を「孔雀
我が家の風景」の中国人俳優ルー・ユーライ、弘役を藤竜也がそれぞれ演じる。2018年・第19回東京フィルメックスのコンペティション部門で観客賞を受賞。

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コンプリシティ 優しい共犯評論(13)

iiftxbm
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114席シアターを独占鑑賞。優しい共犯が記す通り人情味を感じる作品で現実的なストーリーに少しずつ引き込まれた。また展開も予測不可能で面白味があった。そば打ちの光景も興味深く藤竜也の存在感も際立っていた。
2020-14
rwdcrs
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タイトルの通り「優しい共犯」を繊細に紡いだ作品。それは罪なのか、愛なのか…
国際事情や貧富の格差など、現代社会と生きることの本質をじんわりと問いかける。

展開に唐突感やあれはどうなったと繋がりで少し気になるところはあったが、全体を通して登場人物の感情を丁寧に撮っている。
特に主演のルー・ユーライの自然なか弱さと、藤竜也の渋すぎる佇まいの掛け合わせは深みがある。

ストーリーは直球だが純朴さを感じる。蕎麦屋の亭主はもっと頑固で威厳があってほしかったが、最初からすんなり優しすぎた。心を通わせていく過程がもう少しあっても良かったか。

ちなみに、最後のオチにはちょっと面食らった。ヒット作にこう掛けてきたかと。笑
xsxjrb
xsxjrb
HPを見て期待してたけど、面白くなかった。
静かな作品だと思ってたけどカメラワークがぐるぐるしてて目が回る。内容があまり入ってこなくてただ目が回ってました。
結局新人監督が有名?な人を起用して何となくいい映画風な作品を撮ってみました的な感じが見えてつまらなかった。
きっとこの監督さんは是枝監督や西川監督が好きなんだなーって思った。
rckylt
rckylt
公開記念舞台挨拶 登壇:ルー・ユーライさん、近浦啓監督。山形県大石田町などを舞台に撮影が行われた。監督は、この映画を技能実習生についてジャッジすることではなく、ユニバーサルな青春の成長物語にしたかったとのこと。セリフが少なく静かな進行。それぞれの優しさから、また、のっぴきならない人生から、「優しい共犯」関係になっていく。ラストシーンで、チェンが葉月に自分の本当の名前を伝えたのが象徴的。
xprugs
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「技能実習生や不法滞在者がテーマの社会派映画」とは言えないだろう。社会問題として、何かを告発しようとする作品ではない。
もちろん、“そば屋 青春物語”でもない。
「共犯」という題名も、リャンとそば屋の主人との「共犯」という意味なら、内容を的確に表していない。

にもかかわらず、自分は時間を忘れて、このかなり単純な映画に見入ってしまった。
そして終わった後、「なぜだろう?」と自問した。
まず当然ながら、“なりすまし”ゆえに、常に緊張感が解けず、危うい“均衡”の上で進行するストーリーには目が離せない。
しかしそれだけでなく、話の流れや俳優の演技がとても自然に感じられるとともに、一つ一つの情景が妙に心に“しっくりと”くるのだ。

リャンが、少しずつ“そば職人”として進化し、そば屋の主人と“親子”になっていく過程は、繊細に描かれる。
リャンに積極的にアプローチする画家の女は、いかにも現実にいそうだ。
フラッシュバックされる、リャンの郷里のお婆さんや母親の様子にも、とてもリアリティがある。

そして何よりも、心ならずもそば屋になったとはいえ、真面目に取り組むリャンに対して、こちらが“肩入れ”してしまう。
別に珍しいことではなく、例えば「ルパン三世」は泥棒なのに、ほとんどの人は、なぜか拍手喝采し、熱烈に“肩入れ”するだろう。
しかし、この作品には、「ルパン三世」のような善悪を超えた過激な感情とはまた違った、「優しい」感覚を自分は感じた。
“観客”こそが、リャンと“適度な距離感”をもった「優しい共犯」関係になる。演出の妙だろうか?

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