アーヴィング・ストーンのミケランジェロの伝記小説「苦悩と恍惚」を、「聖衣」のフィリップ・ダンが脚色、「逃げる男」のキャロル・リードが製作・監督した、ミケランジェロ伝記映画。撮影は「クレオパトラ(1963)」(アカデミー賞)のレオン・シャムロイ。音楽は、同じく「クレオパトラ」のアレックス・ノースが担当した。日本語版のプロローグ担当は滝口修造、ナレーターは杉山真太郎が当たっている。出演は「偉大な生涯の物語」のチャールトン・ヘストン、「マイ・フェア・レディ」のレックス・ハリソン(64年度アカデミー賞) 、「トム・ジョーンズの華麗な冒険」のダイアン・シレント(現在ショーン・コネリー夫人) 「北京の55日」のハリー・アンドリュース、ほかにアルバート・ルーポ、アドルフォ・セリ、トーマス・ミリアンなど。
華麗なる激情評論(2)
映画 #華麗なる激情 (1964年)鑑賞
#システィーナ礼拝堂 を見に行くなら、この映画を見てから行った方がいいね
#ミケランジェロ と #教皇ユリウス二世 との関係を基本に描いている
すごいと思ったのは、天井画を描くために足場も自ら設計したとのこと!さすが天才ミケランジェロ!
作品選び間違えたかな?と不安になるくらい前置きが長いですが、ミケランジェロの傑作集が先に紹介されます。
彫刻家を自負していた彼にとって、フレスコ画の制作は嫌で嫌で仕方がなかった(^_^;)。インスピレーションが湧かない!と言って散々逃げ回ったあげく、自ら提案してきたものは当初よりずっと複雑な大作でした。
制作を命じた教皇Julius IIとミケランジェロとのやり取りが面白いです。今で言うなら、給料を滞納するパワハラ社長と、天才だけど高慢で偏屈で全く空気の読めない平社員という究極の対立でしょうか。Julius IIは、教皇というよりむしろ将軍という感じの出で立ちなので、このやり取りにちょっとヒヤヒヤします。しかしやはり教会トップの聖職者なだけに、ミケランジェロがどれだけ無礼を働いても父親のような寛大さで許します。どちらかが挫けそうな時には互いに発破をかけるという、素直になれない擬似親子愛が微笑ましいです。ラファエロも注目される中で、Julius IIは誰よりもミケランジェロの才能を信じ、彼の「創造物」を愛していたのだなと思いました。
ミケランジェロの彫刻のような肉体美を持つと言われたCharlton Hestonがミケランジェロ本人を演じています。自分が理想とした体格の俳優が選ばれて、ミケランジェロはきっと喜んでいるに違いない(^^)。
当時の芸術はもちろんですが、映画の美術担当も相当な力の入れようだと思います。衣装も色鮮やかでした。(アカデミー賞はノミネートのみ。受賞は ”Doctor Zhivago”と知って納得。)
“When will you make an end?
ーWhen I am finished!”
“The act of creation is an act of love.”