50% 想看,共 174
評論 | 分享
海辺の家 プロット アメリカ 07月20日 2002 台灣上映
海辺の彼女たち プロット 日本・ベトナム合作 05月01日 2021 台灣上映
家族のかたち プロット イギリス 07月10日 2004 台灣上映
海辺のエトランゼ プロット 日本 09月11日 2020 台灣上映
海辺のアインシュタイン プロット アメリカ 12月25日 1987 台灣上映
海辺のポーリーヌ プロット フランス 06月22日 1985 台灣上映
海辺の家族たち評論(4)
脳梗塞なのかな。突然息苦しくさを感じ倒れるシーンから作品は始まる。
その倒れた父の下に町を離れていた娘息子たちが集まる。
父は寝たきりの状態になってしまい娘息子たちは看病を強いられしばらくこの町にいる事となる。
同時に作品の舞台となる町はかつては栄えていたらしいが今は廃れた町となり久し振りに帰ってきた娘息子達は当初は戸惑う。
娘息子達もまた各々の仕事をはじめとしたプライベートにおいて壁にぶつかっており当初はギクシャクした関係となる。この町の寂しい風景と娘息子達の心情がリンクしているが、ストーリーが進むにつれて家族の絆を取り戻していくにつれてどこかこの町の優しさ、大袈裟にいえばかつて栄えていた姿の要因の一部を感じる事なんかもできたりする。
父の病気がきっかけに家族が戻りそこから会話群像劇が進む作品でありストーリーが進むにつれて愛情や優しさが濃く描かれていく展開はとても美しい。
ただ個人的には理解が追いつかないシーンも多々あり少し退屈さを感じてしまった。
変わらないものと変わるもの。止まっていたもの(人生)が動き出す。動き出すことを忌避して自ら舞台を降りることも。しかし愛が続くのは、3日なのか2カ月なのか20年なのか。
「海辺の家族たち」という題の通り、美しい入り江に面した小さな港町が本作の舞台。老いた父親が倒れたのを機に、父と実家で同居する長男のもとへ、教授職をリストラされた次男、人気女優でパリに暮らす末っ子が久しぶりに集まる。海は単なる美しい背景としてだけではなく、ストーリーに有機的に絡んでくる。女優のアンジェルを恋い慕うバンジャマンは漁師で、海の恵みを陸に届ける仕事。漁で得られた魚は、長男アルマンのレストランで供され、人々の糧となる。海は命をはぐくむ豊かさの一方で、人命を奪う無慈悲さもある。かつて海辺で起きた不幸が3兄妹と父親の関係を変えてしまう。海を越えてやってきた難民たちの一部も命を落とす。海は生の象徴であり、避けられない死の予兆でもある。この場所と外の世界とをつなぐ存在であることから、出会いと別れの舞台にもなる。
悲しみや憎しみや分断を克服する力として、愛と善に希望を託す本作。理想主義的ではあるが、大きな困難を前に無力を痛感して何もしないより、身近なところで小さな一歩でもいいから前に踏み出すことの大切さを静かに説いている。
マルセイユには地中海を通って各地の難民・移民が集う。これは、彼の父親が長らく紛争地帯だったアルメニア出身である事が関係しているのは明白。終盤で登場する難民の子供達と、辛い過去と厳しい現在を抱える3人の兄妹達の出会いが、思わぬ化学反応を生む。
地味すぎるほど堅実なドラマだが、これがゲディギャン監督の真骨頂。