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スティーブン・キング 痩せゆく男評論(5)
実は僕が初めて本屋で買った小説が彼の著作『シャイニング』
でして、一時期は憑かれたように読み漁ったもんです。
近頃またキング原作映画の企画が続々
進行中で、ファンとしては嬉しい限り。
という訳で(どういう訳だ)、
これから折を見てキング原作映画のレビューを
やってみようかなあんて思う。ま、チマチマと。
最初は『痩せゆく男』!
先述のベスト20にも入ってない上、キング氏が
別名義で書いた作品というビミョーなチョイス(爆)。
しかし原作に対する再現度は高く、キング自身が
好きなB級ホラー的雰囲気もたっぷり。
レンタルでサクッと観るならちょうど良い
面白さの映画かと(誉めてんだかケナしてんだか)。
物語の主人公は体重135キロ・大食漢の弁護士ビリー。
ある日彼は不注意から、ジプシーの老婆を轢き殺してしまう。
しかしビリーは腕も評判も上々の弁護士。旧知の判事や
刑事の力を借り、難なく無罪放免となってしまうのだった。
だが喜びも束の間。裁判の直後、老婆の夫と
おぼしき男がビリーに近付き、彼の頬を撫でて呟く。
「痩せてゆく」
その日を境に、恐ろしい速度で体重が落ちてゆく主人公。
いくら食べても痩せてゆく。
何をやっても痩せてゆく。
骨と皮だけになっても止まらない。
痩せて、痩せて、痩せてゆく。
やがて、事故の揉み消しに関わった者
全員が奇怪な病を患っている事が判明。
これがジプシーの呪いであると気付いた
ビリーは、呪いを解くべく奔走するが……。
巨漢の主人公がガリガリに痩せてゆく等の特殊メイクも
面白いが、呪いをかけたジプシーを脅迫する為、主人公が
とんでもなく現実的な“呪い”で対抗する後半の展開が凄い。
復讐に対する復讐、止まらない恨みの連鎖。
これは正に小さな戦争だ。
己の罪が招いた結果とはいえ、
主人公に同情を禁じ得ないラストも良い。
あと、原題『Thinner(痩せゆく者)』と
Sinner(罪人)は発音が似てる気がする……
まぁこれは深読みし過ぎかしらん。
不満点としては、
原作の終盤で殺された或る人物が映画では死なず、
“恨みの連鎖”の印象が原作よりやや薄れた点か。
あ、それから先述通りB級テイストな映画なので、
見事な映像とか編集とかはあまり期待しないでね(笑)。
以上! 皮肉がピリッと利いた恐怖映画です。
<了> ※2012.04初投稿
安いB級話でもそこに外連味があって、次の展開が気になり食い付いて観てしまう。
キングさんの小説をそのまんま読んでいるかのよう。
同原作者の他の映画作品『ドクター・スリープ』にも出てきましたが、キングさんにとってジプシーとはこの世の不思議を保持し続けてくれる便利な存在。
実を言うと私もなかなか太れない男で、前に寝込んだ時にいつものベストの体重から3kg落としたのが、これまでとは違い今回はなかなか元に戻らない。もう歳か‥。それでこんなタイトルのお話があったなと思い出してのCheck-in ✔︎
自分も生まれて此の方、人を恨んだ事が無いと言えば嘘になる。逆に誰かの怨みを買ったりはしてこなかっただろうか…🤨
老婆をひき殺し、事故隠蔽に関わった人たちが次々と呪いにかかる。
イチゴのパイ、、、おそるべし。
スティーブンキングらしい終わり方。
顔だけかと思いきや裸のシーンもあって、なかなか古い作品なのに凝ってるなと思いました。
ストーリーとしては怪奇な感じですが平凡ですかね。
終わり方は、もっとそれぞれがどうなったかというのが知りたかったです。
で、この映画もずいぶん前に観て、最近CSでやっていたので録画して久しぶりに観ました。
所謂世間から排他的な扱いを受けた集団が正義を語り、その世間というのは村社会として成り立っていて利己的な権力者たちが牛耳っていて、その二つの組織の対立関係が描かれていて、報復合戦が行われる という展開。
まあどっちもやることがエグいわ 笑。
痩せていく主人公にも良心の呵責があってロマ族を追いつめようとするマフィアを制するところなんか印象的でした。
でもまあ、妄想にかられて被害者意識全開でロマ族の警告を無視して最後奥さんにパイ食べさせちゃったわけだから、結局この主人公はしょうもない人だったのかなぁと。私利私欲は捨ててもっとピュアに生きられれば良かったのにね 笑。
もうちょっと主人公の心理描写が丁寧に描かれていたら、心理的にもっと怖い映画になっていたのでは、と思ったりしました。
で 最後、余韻を残した終わり方 好きだなぁ 笑