ジプシー
プロット
アメリカ
01月09日 1963 台灣上映
ジプシーのとき
プロット
旧ユーゴスラビア
01月01日 1900 台灣上映
ジプシーの唄をきいた
プロット
ユーゴスラビア
01月01日 1900 台灣上映
ジプシー 風たちの叫び
プロット
イギリス
09月23日 1989 台灣上映
ジプシーは空にきえる
プロット
ソ連
04月07日 1979 台灣上映
不倫への招待2 ジプシー・エマ
プロット
韓国
01月01日 1900 台灣上映
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ジプシー・キャラバン評論(1)
ロマの財産は文化や歴史に育まれた逸品とは言い難いものだ。
彼等の受け継いだものとは、常に虐げられ迫害の果てに流浪し、その中で生まれた憤りと悲しみの結晶だからだ。
生き残るための叡智と誇りは、彼らの音楽そのものに宿り続けている。
「ジプシー・キャラバン」には、現在一線で活躍するロマの音楽家たちによる、北米ツアーのすべてが凝縮されている。
登場する各アーティストの源泉は、同じロマと言いつつも、全く違ったナショナリティである。
スペイン、ルーマニア、マケドニア、インドの各国にルーツを持つ。
その音色や形式、スタイルは、彼らの常住地の慣習によるところが大きい。
フラメンコのアントニオ・エル・ピパによる、アンダルシア地方の激しい舞いとガット・ギターの複雑な音色。
タラフ・ドゥ・ハイドゥークスによる、ルーマニアの独自性を垣間見る一種変わった楽器編成。
まるでゴスペルのようにその声域の広さと感情移入で迫る、マケドニアのエスマに横たわる民族の悲しみ。
インドの砂漠民バンド、マハラジャは、旋法(ラーガ)への忠実さとそこから掻き立てられる計り知れない想像力と、世に2人しかいないといわれる特殊な膝ダンスを披露する。
特にジプシーブラスのファンファーレ・チョカリーアからは統一感と色彩の鮮やかさ、何より人間臭さを感じた。
移動先のホテルの廊下に、無造作に転がっているチューバやホルンのシルエットや疵にも、人間を感じずにいられない。
各々の音楽背景は、各々が仮の祖国から由来するものを今に再現しているといえよう。
ロマといえども、住めば都、という言葉が当てはまるのか?
ジプシー・キャラバンに登場するシーンには、熟成と修練の結果から掴みえた演奏形態とドラマがある。
それは他の民俗音楽にも表出する一種のお約束事ではあるが、悲しみと歓喜の力が圧倒的に浸透している。
群を抜いているのだ。
実のところ、しっかり根着いている。
音楽を通じての本質というのは、いろいろな物質へ乗り移る能力があるのだろうか?
やがて定住し安堵となり、豊かさへの材料となればいいのだが・・・
もしそうだとするならば、音楽で世界を変えるという幻想(誰が決めたのかは未だに知らない)、それはやがて可能な時を迎えると思う。