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ピーター・グリーナウェイ 8 1/2の女たち評論(1)
なんかこの監督の映画って芝居がかっていて東洋の文化の過剰解釈もあって、しかもヴィジュアル的に性表現がドライでなんか汚らしいんですよね。それがまさにねらいなんでしょうけど。ハーレムを作ってうはうはな父子に共感もうらやましくもなかったのは、日本人にとってなんだかぜんぜんセクシーではない女性たちばかり出てきたからだと思います。日本人の頭のおかしい女の子とか、出産中毒の女とか、馬に愛情を注ぐ変な女とか、そういうものに欲情すること自体まったく理解できない。僕だったら出来れば一生関わりたくない人たちばかりです。
カトリック圏出身でフェミニストの妻に言わせると、西洋では肉というもにすごい執着と意味があるそうです。素肌とか肉とか、たとえぜい肉でもそこには宗教的なタブーがある。だから肌を露出しているだけでタブーを犯しているわけで、タブーを犯す=性的ドキドキになるそうです。そういわれてみると8と二分の一の女たちはどれも宗教的タブーを犯す女たちばかりです。父子はそこに欲情していたんでしょう。
日本人とっては正しく解釈するのに結構頭を使うし、西遊的には共感はできない映画ですね。西洋文化をかなり深い視点から理解したい人向きです。