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ハッシュ!評論(9)
映画「「ハッシュ」(橋口亮輔監督)から。
ゲイに関するシーンが多かった。
ゲイになりきり、男同士で抱き合っている役者の演技を観て、
さすがだなぁと感心させられたのだが、
最後のテロップに流れてきた文字で、大笑いしてしまった。
何度か、巻き戻して確認したから、間違いないと思う。
だからあえて「気になる一言」にとり上げてみることにした。
最近、特に地方で映画を撮影する環境が整ってきた。
エキストラをはじめ、お手伝いするボランティアも増えてきたと聞く。
こんな取り組みが、映画をより身近に感じさせる方法なんだと、
ワクワクしながらも、やっぱり笑わずにはいられなかったテロップ。
鑑賞中に私がメモした名台詞の多くを吹き飛ばしてしまうインパクト。
「協力 新宿二丁目の皆さん」
時々ある最後のおまけみたいなシーンを見損ない為にも、
やっぱり、エンドロールの最後まで見るに限るな・・・と苦笑いした。
私は、何を楽しみに映画を観ているのだろうか。
(やっぱり「言葉探し」かな)
橋口亮輔監督、2001年作品です。
"普通"の描き方が良かったです。個性がぶつかったり寄り添ったり。けっこう重いコトをぶつけ合ったりしてますが、残るのはホンワカした温もりの、不思議な作品でした。
田辺誠一演じる青年・勝裕の、優しいだけじゃない複雑さがなんだかリアルでした。
そして、強烈な人は女性ばっかりなのでした。
10年後の、今の彼らを覗いてみたい気もします。受け入れる社会の認識とか意識の変化は、残念ながらほとんど無いような気がするけれど。
役者が役者と思えず、こういう人たちがいるんだなと思えました。どうか皆さんお元気で。
修羅場の作り方もうまく、ドラマとしても面白い。
コンセプト通り、ひとりでおらず誰か人とつながりたくなりました。
修羅場のシーンがリアルでなかなか良かった。
同性を好きになった時点で家族は諦めているという直也、ゲイだという理由で父親になる未来の選択肢がなくなるのはおかしいと主張する勝裕。
同性愛者の人生観や価値観が興味深い。
朝子の話す家族像は、こどもが夢見るような、ある種の純粋さが感じられる。
何にもしばられない人間愛を感じられるからこそ、将来への楽観的な、それでいて自由で希望に満ちた話として、三人で仲良く鍋を囲んで話せるんだろう。