50% 想看,共 107
評論 | 分享
竜二 Forever プロット 日本 03月02日 2002 台灣上映
マカオの竜 プロット 日本 12月18日 1965 台灣上映
哭きの竜 プロット 日本 06月17日 1995 台灣上映
花と竜(1962) プロット 日本 12月26日 1962 台灣上映
牡丹と竜 プロット 日本 01月15日 1970 台灣上映
竜馬暗殺 プロット 日本 08月03日 1974 台灣上映
竜二評論(4)
竜二「・・・てぇめぇで入れろこの野郎~~~!」
当時これ真似したひと多かったのだと思う。男も女も。
東映も惜しい才能を逃した。
Vシネマの雛形とも言うべき作品。
それにしても映画ドットコムはいわゆるヤクザ映画の評価が低いね。
これを名作と言わず何を名作というのでしょうか
日本映画のオールタイムベストに入るのは当然です
脚本やロケのリアリティーは群を抜いており、役者達のキャラクターのたった配役と演技
それを際立てせている演出
なにもかも素晴らしいものです
伝説となった金子正次は言うに及ばず、特に永島暎子!
彼女の演技はいくら称賛されても足らないほどの感嘆、驚嘆するほどのものなのです
終盤の夕方の商店街で仕事帰りにはまだ早い時間に竜二を見かけた時、喜んで声をかけようとするその顔が一瞬で引っ込みます
大売り出しに恥ずかしげもなく並ぶ自分をみる冷たい視線に気付いて全てをさとります
すると一瞬目に涙が光ったかと思うと、彼女は全てしようががない、それが竜二さんなんだとスッパリ諦めた顔になっているのです
そして幼い娘に話かけようとしゃがんだ時にはもう清々しい笑顔が浮かんでいます
そして、おばあちゃんとこに帰ろうかと言うのです
この一連の芝居が流れるように自然に嘘くさくないのです
心を打つものなのです
日本映画屈指の名演技かつ名シーンでしょう
ラストシーンの白いスーツで歌舞伎町を颯爽と歩く竜二も姿もまた素晴らしい演出の終わりかたでした
時代は1978頃と1983年
前者の時代は竜二がやくざの幹部として最前線にいた時代です
かれの住まいからみたと思われる歌舞伎町の俯瞰シーン
新宿バッティングセンターのネオンの位置関係からおそらく大久保ニ丁目交差点辺りの階数の高いマンションから見た光景に思われます
歌舞伎町の裏口の全てが眼下に広がっています
そして後者は西武新宿線新井薬師駅辺りと思われる堅気になった竜二の物語です
心を許せる妻とかわいい娘と汗水垂らして勤労で得た金で慎ましいアパートで暮らす幸せなな日々です
しかしある日彼は夜にベランダから顔をだしてこう大声でいいます
この窓から、なんにも見えないなあ…
もちろん夜景のことではありません
将来の展望も、野心の行方も見えはしないということです
不安げに顔を向ける妻の顔とともにロングショットで捉えて長く時間をかけて引いていくカメラ
そこにかぶさるエレキピアノ、そしてサスティーンを効かせたエレキギターの哀愁のある音
この台詞とこの映像、音楽は本当にお見事としか言い様のない名シーン名演出でした
いつまでも心に残るものです
この映画が心をうつのは若者が人並みの大人になる幸せが、同時に若さの喪失を意味しており、年をとること、人並みの大人になることを拒否した生き方もあることを描いているからだと思います
だから普遍性を持つ共感なのです
特に公開当時、団塊の世代の人々は正に竜二と同じ年代でしたから圧倒的な共感を集めてヒットしたのは当然だと思います
竜二が酒屋の配達のトラックの荷台から、こうはなりたくねえ!という視線をむけた、公園でゲートボールに興じる老人達の姿
しかしそれはいまの竜二の姿なのです
彼等団塊の世代の姿なのです
人は老いるのです
いつか死ぬのです
単調ではあっても幸せな日々のうちに次第に老いてそして死ぬ
それは当たり前の人間の人生なのです
それを拒否するなら竜二のようにやくざな存在に戻るしかないのです
やくざに戻った竜二の36年後の現在
70歳になった竜二は今どうしているのでしょうか?
今も「竜二」なのでしょうか?
そして同じように老いることを拒否していた団塊世代も老人になったのです
いやもしかしたら、老人になって責任がなくなった今だからこそ、はじめて彼らは竜二に戻ろうと考えているのかもしれません
もちろん普遍性のある物語ですから、21世紀の若者も素直に感動できます
老人にだまされたり、洗脳されたりする嘘や不純物は一切ありません
純度の高い映画です
千原ジュニアが紹介してるのを見てすぐにレンタルしました。
カタギの世界になじめない男の行く末が切ないです。