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桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール評論(1)
「レナちゃん〜」
♪ピンク、ピンク、ピンク〜。ピンクのコットンパンツ〜♪
いや〜懐かしい!あの頃竹田かほりのファンだったもので、何度か劇場に足を運びましたね。それだけにあっさりと結婚・引退した時のショックは大きくてね〜(泣)
思わず呟いた「あんな〜!…いや、そんな〜」と…。
ところでこの作品は言わずとしれたロマンポルノ映画ですが。ロマンポルノには今でも「桃尻娘」以前・以後と言われる位にキーワードな作品ですね。
それまで日本映画。とりわけロマンポルノにはどこか陰々滅々とした雰囲気が有り。それ自体はロマンポルノで作品を撮る監督さん達にも。自分なりの作家性(こだわり)を反映出来たのですが。この作品のヒットによって、日活(当時は《につかつ》)の中で、明るいライトポルノの製作が急速に進められて行った。
その為に神代辰巳や田中登:西村昭五郎:小沼勝と言った、ロマンポルノの屋台骨を支えていた巨匠達がなかなか自分の撮りたい題材を撮れなくなり。逆にライトポルノ路線に乗って、森田芳光が『(本) 噂のストリッパー』と『ピンクカット 太く愛して深く愛して』を撮り。金子修介が『宇能鴻一郎の 濡れて打つ』で、「エースを狙え」をパロディポルノとして実写化しデビューしたり。滝田洋二郎が一連の『痴漢電車』シリーズで、作品が日活に買い上げられ注目を浴びる様になり…と。
みんなそれぞれ一般映画へと飛躍するきっかけとなったものでした。
肝心の映画本編は、女子高生の仲良し2人が、セックスに対してはライバル意識を燃やし。お互いを見下しては「私の方が上よ!」と、心の中では思っている。
竹田かほりと亜湖との凸凹コンビが生き生きしていて、とても楽しかったですね。
内容は、亜湖が家出をして、それを竹田かほりが追い掛けて行く。信州→金沢→京都と進んで行くロードムービーでも有ります。
途中で知り合うのが内田裕也演じる出所して来たばかりのヤクザと、その情婦役の片桐夕子。
片桐夕子は、好きな男の為にやりたくない売春をするしか無い、女の悲しさを演じていて流石です。
一方内田裕也はこの作品での好評から、本格的に映画俳優として、その不気味な存在感を増して行った。
アンアン・ノンノと言った、当時流行に押し流される女の子達をパロディ化し、この当時としてはホモセクシャルな人物を、異常性愛な存在としてでは無く、普通の人物として扱っているのは珍しかったのじゃないかな。
一応は18禁なんですが、今観ると「この程度でかよ!」と、一笑に臥されてしまう事は間違い無いですね。
ところで、亜湖さん。少しでもお身体が良い方向に向かわれる様に祈っております。どうかお大事に。
(1980年7月20日/旧池袋文芸坐地下)
(1980年7月26日/旧飯田橋ギンレイホール)
(1982年11月21日/旧池袋文芸坐地下)
(2010年8月21日/ラピュタ阿佐ヶ谷)