ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人
プロット
フランス
02月02日 台灣上映
大室家 dear sisters
プロット
日本
02月02日 台灣上映
フィスト・オブ・ザ・コンドル
プロット
チリ
02月02日 台灣上映
梟 フクロウ
プロット
韓国
02月09日 台灣上映
夜明けのすべて
プロット
日本
02月09日 台灣上映
ボーはおそれている
プロット
アメリカ
02月16日 台灣上映
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「女の小箱」より 夫が見た評論(1)
冒頭の若尾文子の入浴シーン。湯船の中でもメイクばっちりだと思ったら、湯上りもやっぱりばっちり。さすが当時のセックスシンボル。こうした演出に当時の観客は納得していたのだろうか。でも、おかげでとにかく若尾が美しく、若さと成熟を兼ね備えた堪えられない色香を放っている。
田宮二郎が本当に若尾に心から惚れているのかどうか。ここが、この物語のサスペンスの要なのだろう。田宮が命を落とすことになるまで、そのあたりのことは不明なまま話は進んでいく。むしろ、そのキャラクター設定からして、大方の観客は、金のために無垢な人妻を手玉に取っているとしか見ないのではなかろうか。岸田今日子に腹を刺されたとき、こいつ本気で惚れてんだ!という驚き。ここまで、自他ともに認めるワルだったはずなのに、見事に観客は裏切られる。そして、若尾が夫と田宮を天秤にかけて、二人を自分の思うままに操り始めるとき、最高の武器を持った女の怖さを感じることになるのだ。
増村保造の作品を3本観たが、登場人物の強烈な自我の描き方にやっと慣れてきた感がある。小津や成瀬のお茶漬けさらさら的な味わいとは異なり、非常に濃い目ではっきりとした味付けだ。人物の手前に壁や生活用品を配することで、わざと画面の有効なスペースを狭くしている。そのことで、否が応でも観客は人物へ視線を集中させることになる。登場人物の放つ雰囲気を、画面の隅々まで漲らせるその手法を、この夏まだまだフィルムセンターで楽しむことができると思うと幸せだ。