《いつか、どこかで》大阪を舞台に描いた「新世界の夜明け」に始まる大阪3部作や、香港を舞台にした「マジック&ロス」など国境を越えて多国籍・多言語の映画製作を続けるマレーシア出身の映画監督リム・カーワイが、バルカン半島の各国で撮影したロードムービー。
クロアチア、セルビア、モンテネグロを旅をするアジア人女性の姿を通し、バルカン半島の複雑な歴史に翻弄されながらも前向きに普通の生活を送る人々や、世界の置かれた現状を浮き上がらせる。
マカオ人女性のアデラは、愛する人との思い出の品物を展示する「別れの博物館」を訪れるため、クロアチアへ向かう。そこには彼女が寄贈した、いまは亡き恋人の残した携帯電話が展示されている。
その後、SNSを通じて知り合ったセルビア人のアレックスに会うため、セルビアの首都ベオグラードへ向かったアデラだったが、アレックスは姿を見せない。アレックスの到着を待つ間、アデラは見知らぬ土地でのささやかな冒険を重ねる。
自分の国とは異なる歴史や文化の中で暮らす人々との出会いを通し、新たな自分を発見するアデラ。そして、ようやく現れたアレックスから予想外の言葉を投げかけられるが、その後も彼女のバルカン半島の旅は続いていく。
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