ベティ・デイビス、リリアン・ギッシュの2大女優共演によるヒューマンドラマ。メイン州の小さな島にある別荘で毎夏を過ごしている年老いた姉妹リビーとセーラ。島の入り江には8月になると鯨が現れ、幼い頃は良く見に行ったものだった……。潮風の香る美しい島を舞台に、老姉妹と、彼女たちを取り巻く3人の老人たちが織りなす人間模様を穏やかに描く。本作が遺作となったリリアン・ギッシュは、カンヌ国際映画祭特別賞を受賞。1988年、岩波ホールで公開され31週のロングランヒットを記録。2013年、岩波ホールの創立45周年を記念し、ニュープリント版でリバイバル公開される。
八月の鯨評論(11)
すっかり老人になってしまった彼らの日常。サラは頑固な姉リビーの世話をし、幼なじみのティシャがブルーベリーを摘み遊びに来る。一日前に連れ合いを亡くしたマラノフ氏が釣りを楽しみ、ジョシュアは水道管を直していた。そして今夜はマラノフ氏が釣った魚をリビーとサラとで食べようという。
鯨は結局登場しないが、またあの鯨を見られるんじゃないかという希望が最後には訪れる。大きな窓を作ることに反対だったリビーも最後には自らジョシュアに発注しましたから。ただ、ストーリーよりは名女優たちの演技力。良い映画なんだろうけど、心打たれるほどではない。どちらかと言えば文芸的。