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シュリ評論(14)
ベタな内容ではありますが、ロミオとジュリエット的な切ない物語が好きな方にはぴったりな作品でした。冷戦に翻弄された朝鮮の歴史は、本当にかわいそうだし、ひょっとすると日本でも同じことが起こっていたかもしれないと思うと、他人事ではないです。
「シュリ」は、韓国映画が世界的に認められるきっかけになった作品と記憶しています。さすが、熱量が高いと言うか、感情が高ぶるというか、作品から溢れてくるエネルギーの大きさを感じます。内容が分かっていながらも、ラストのふたりの哀しみに飲み込まれてしまいました。もしかすると、現実にこのふたりが存在していたのかもしれないと夢想しながら。
デリケートなものとして扱っていたから好印象だった。
追跡してる女スパイが鬘をとったシーンが、すごい印象深い。
その女スパイが、自分の恋人だったオチ。
刹那い映画!
レンタルDVDで鑑賞。
過去に「日曜洋画劇場」で観た記憶があります。小学校低学年の頃だったので断片的に覚えている程度。最近個人的に遅ればせながらの韓流ブームが到来しておりまして(笑)、久し振りに観たくなりました。
新型液体爆弾CTXを狙う北朝鮮の工作員と、韓国諜報部員の戦いと悲劇的な愛を描いたラブ・アクション大作です。
これほどまでにハリウッドナイズされた韓国映画というのは、当時としてはとても斬新だったのでしょうねぇ…。銃撃戦やアクションなども多分にハリウッド的で、リアルで迫力がありました。
リアリティーを追及しこれまでに無いものをつくり出すため、ハリウッドから撮影に使うステージガンを取り寄せ、ソウル市内で銃撃戦の屋外ロケを敢行。銃声を本物と勘違いして付近の住民が警察に通報したとか(笑)
工作員との戦いだけに、相手の手の内を読みながらの戦いに手に汗握りました。肉眼では水と区別がつかないCTXがヤバ過ぎです。圧巻のクライマックスまで緊迫感を保ち切った演出がお見事でした。
主人公の韓国諜報員と北朝鮮工作員の悲恋に胸が痛みました…。仕組まれた出会いだったとは言え、運命に導かれたのですねぇ…。ふたりの愛がとにかく美しい。
最後に待ち受けるであろう結末は絶対に悲しみを伴うものだと分かってはいても、そうならないようにと思わず祈ってしまいました。
朝鮮戦争から50年(当時)、融和ムードが漂う二国間関係に風穴を開け、腐敗し切った政治をつくり変えようと企む工作員たち。南北に分かたれた民族が孕む歴史が生んだ悲劇と言えなくもないですねぇ…。全ては民族の誇りと愛故の行動。本作は様々な“愛”の物語なのかもしれないな、と感じました。
愛する者同士の国家を背負った殺し合いは観てて美しいものがある。