世界中で広く愛され、これまでにもテレビや映画、実写、アニメなどで幾度も映像化されてきた児童文学の名著「アルプスの少女ハイジ」を、原作が生まれた本国スイスで新たに実写映画化。アルプスの山の大自然に囲まれ、頑固だが優しい祖父と暮らす少女ハイジは、ある日、大富豪のお嬢様クララの話し相手として都会のフランクフルトへ連れて行かれる。足が悪く車椅子生活を送っているクララは、明るく元気なハイジに励まされ、次第に元気を取り戻していくが、一方でハイジは祖父のいるアルプスの山が恋しくなり……。祖父役はスイス出身で、「ベルリン・天使の詩」「ヒトラー
最期の12日間」などドイツ映画界で活躍する名優ブルーノ・ガンツ。スイス人監督のアラン・グスポーナーがメガホンをとった。
ハイジ アルプスの物語評論(20)
この監督はもしかすると日本のアニメを見たことあるんじゃないかと思わせるほどストーリーのツボを知ってる気がした。2時間にまとめているのに、ダイジェスト版のように感じさせなかったのも良かった。
そして、おばあさまがハイジに語った言葉が強く印象に残った。
「何かやりたいと思えたなら誰が何と言おうとやらなきゃダメ」
2017-151
今までハイジの映画化あまたあれど、天真爛漫さと可愛らしさはぴか一!
どれもこれもアニメで見たあの場面そのままだ!と感動さえ覚えてしまう。
展開がわかっているせいか、映画はあっという間に過ぎてしまう。もっともっとこの風景に抱かれていたい…と見終わった後に寂しさが。
アルムおんじ役のブルーノ・ガンツが薪割りなどの役作りをしたということもあってか、とてもいい味をだしているが、登場の尺が長くないので勿体なさも。おんじがなぜ「人殺し」と呼ばれているのかなど、彼の過去を掘り下げる場面は割愛されてしまった。
映画の中心は山(ハイジ)と都会(クララ)の対比だからしょうがないのかな。
字幕がアニメのハイジに合わせて「おんじ」などとしているのが懐かしさを誘います。ロッテンマイヤーさんもクララもペーターもアニメに親しんだ世代にとってはイメージ通りで、全く違和感なく受け入れられます。
私も登山をするので、五感がフルに開放されるあの感動、クララが立つ原動力になった理由がわかります。
彼女は精神的に立てなくなっていただけなので、抑制された生活で失われた生きる喜びや欲求を自然が触発したんでしょうね。
でもあの干し草布団には寝れないだろうなぁ。ノミやダニに刺されそうだから(笑)
原作は宗教の説教臭さがありますが映画からは払拭されており、あくまで人の善意の力で世界は動いていきます。
ハイジもアルプスでのんびり暮らしているだけでなく、クララのおばあさまから「あなたはあなた、誰かの意見に流されず生きて」と背中を押され、作家という夢を決意します。苦しい時間も悲しい別れのも、すべての経験は無駄にならないよ、と教えてくれる不朽の名作です。
2度見てしまいました。ハイジがとにかく魅力的。ペーターもぴったりだし、どの配役も素晴らしい。セバスチャンもいい味出してます。大好きな映画です。ハイジが山に戻り、おじいさんと抱き合うところはほろり。そして、歩けるようになったクララに父親が涙ながらに言う言葉が「許してくれ」ーとても深い言葉でした。父親も辛く、家を留守にし、仕事に打ち込んでしまっていたのでしょう。人間は誰でも弱い部分があり、時として大事なことに向き合えない。大人になればなるほどに。製作者の真実を見る目と温かさがありました。DVDは出ないのでしょうか。是非欲しいです。