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ビル・エヴァンス タイム・リメンバード評論(20)
いつの間にかこの人の曲を聴かなくったが、
やはりなこれからも余り聴かないだろう。
もし、お好きなら、ぜひご覧ください。
この映画でしか見られない貴重なインタヴューだけでも、その価値があります。
名前を聞いたことがある、ジャズに興味がある、という方。
試しにどうぞ。もしかしたら、一生聴き続けることになる音楽体験になるかもしれない。
そうならなくても、激怒はしないはず。少なくとも、寝られる。
高校時代、FM放送で聴いたチャールス・ミンガスから私のジャズ体験は始まった。
ビル・エヴァンスにのめり込んだことはないけれど、有名どころは一通り聞たし、スコット・ラファロ入りのトリオは、折に触れ繰り返し聴いてきた。
この映画は私にとって、ビル・エヴァンスの再発見だった。
エピソードを知ったから聴き方が変わるのは邪道かも知れない。
でも、正直に言って、私はそうしたし、映画も数回見た。
ビル・エヴァンスの音楽と、この映画に会えてよかったと思っている。
ジャズに全く興味がない人がこの映画を見たらどうなるだろう。
寝るかな?途中で出ちゃうかな?
もしかしたら、私が直立猿人から受けたような電撃を、経験する人もいるのかな。
彼が生きて行くにあたり、縋るようにして頼りにした家族や恋人との物語と共にジャズの神様の側面が豊かに描かれている。追悼作品、という訳でもなくて、チラホラとコミカルな表現もあり、最後まで心地良い時間でした。この音楽が世の中に存在し続ける限り彼は生きているのですから^ ^。
このドキュメンタリー映画は彼の暗部も容赦なく描き出す。長年の恋人がビルの行いのため自死した2ヶ月後に若い恋人と結婚するくだり等、破綻しているように見える彼の性格は理解し難い。
が、彼の奏でる美しく静謐で、深みのある音楽を聴くと全てが吹き飛んでしまう。
モダンジャズに身も心も捧げた男の、哀切だが見事な生き様に見惚れてしまう。(ピアノに祈りを捧げるような演奏スタイルの美しさ、崇高さ。)
<ビル・エヴァンスをご存知ない方は、映画を観る前に彼と関わった数々のミュージシャンとの関係性を把握しておくと、より分かり易く物語に入り込むことが出来るのではないかな。鑑賞後、彼の代表曲もしくは名盤の数々、まずは「ワルツ・フォー・デビィ」からかな(個人的な意見です)などを聴くと余韻が増すのではと思います。きっと、どこかで聴いた曲があるのではないかと思います。>