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Fukushima 50評論(20)
素直にそう思えました。
知らなかった事、思い込んでいた事、誤解していた事、あの震災で起こっていた事が少しでも知ることが出来る映画でした。
単なるお涙頂戴モノとは、全く違っていました。
ただ、おじいちゃんの最後の言葉にはヤラレました!
現場では死を覚悟し、全力で原発の暴走を食い止めようとしている。
福島第一原子力発電所の最前線のリーダー、そして所長、この2人は、部下の人生を気遣い、的確に対応していく。
一方で、東京本社のトップは現場の状況も構わず、一辺倒な指示しか出さない。さらに、国のトップである首相は、現場を混乱させる現地視察や、現場で怒鳴り散らすあり様。
現場のリーダーは上からの指示に本気の意見をぶつける。その一方で指示通りに、時には現場判断で、部下を動かす。
部下は自分たちが感じる意見を上にぶつけてくれている上司の姿を見て、自分の意思で動けるのだろう。
リーダー像のあるべき姿とあらざるべき姿の両方が描き出されている。
そして2人のリーダーの友情や家族に涙が止まらない。
3.11原発事故は本当に日本の危機であったことが理解できる映画。アメリカはもはや一国の問題ではないということを認識していた。
日本の歴史を知る上でも一度はこの映画を見るべきで、後世に伝えていくべき映画。
この福島の原子力の街では、現在住民が普通には帰れずにいる。その街には現在も「未来のエネルギー」という看板が寂しく掲げられている。
感情を引きずる・・・。
悲しいのか、辛いのか、ホッとするからなのか、涙のでる感情ってなんだろう。
いつもどおりの幸せをが一番の幸せ。
原発が福島に来たことによって、幸せも一緒に運んできた。
決して、原発が悪ではない。
原発の暴走を食い止め、ふるさとをまもる為に生身の人間が必死に対峙した。
と言いながらも、原発で働く多くの人々は、ふるさとを失った。
真実は闇だ。だが、言葉を選ばずに言えば、帰宅困難地域が福島県の一部で済んだのは、奇跡があっただけ。
一つ一つのシーンが大切な映画ではない。
全体で感じる映画なのかもしれません。
一つ一つをみれば、米軍に関係するシーンを入れるならば、あんなに薄くしなくても良かった。
という感想もありますよ。
ただ、予備知識なしでこの映画を見たら、吉田所長が、ただひたすら怒りを爆発させるばかりの映画だと思うことでしょう。なぜこの所長の下で多くの勇者たちが団結したのか、この映画からは理解できないのが難点でしょう。
これはおそらく原作に問題があると思います。
私も国会事故調査委員会の報告書を大部分、読破しましたが、(たぶん書籍数十冊分の分量がありますが)、吉田所長に対するヒアリング全文から滲み出ていた、所長の健全で優秀な人間性。この人の下で働くことは幸せだな、と、読むものに感じさせる魅力を、渡辺謙演じる吉田所長像から見つけられなかったことが残念です。
上記報告書は、多くの政治家に対しても何時間ずつ掛けてヒアリングをしています。発言を逐語的に文章化したものなので、残酷なまでに政治家一人一人の人間性や品性があぶり出しになっていました。
菅直人首相や枝野官房長官など、人格的には、ほとんど0点だと私は判断しましたが、(なかでも海江田大臣は飛び抜けて酷いですが)、そのような中で、中国から帰化した(きっと苦労も重ねてきたにちがいない)福山副長官の人間性には、私はかなりの驚きと高評価をしたものです。
しかし福山副長官に相当する登場人物が、この映画では官邸側に設定されておらず、「官邸=低能の巣」という画一的な図式に塗りつぶされていたのが、ちょっとフェアではないとは感じました。
実はこの映画、私は観るつもりはなかったのです。
しかし、菅直人の腰巾着みたいなライターが「映画の中での菅首相の描き方が酷過ぎる」という趣旨の記事を書いていたので、そこまで擁護するのなら、それじゃあ鑑賞してみようか、と思い立ったのです。
腰巾着による非難記事とは裏腹で、佐野史郎さんは、菅首相の「人間性と品格」とを、きわめてリアルに正確に演じていました。
菅直人が自分の腰巾着に頼んで記事を書かせたのだろうと推察しますが、こういうことを突発的に行う衝動を心の闇の奥底に抱えている点も含め、「人間の屑の屑」を総理に選んでいだ日本の不幸が、よくわかります。
国会事故調のヒアリングに対して、吉田所長は終始冷静に対応をしていましたが、ただ一カ所だけ、感情を高ぶらせる部分があります。
私のジャマをした人たちに、どうか仕返しをしてください、と、死を目前にしていた所長は、ヒアリング担当官に訴えたのです。
この映画によって、吉田所長の仇が討てていると良いのですが、菅の腰巾着の雑文を見るかぎり、まだまだもっと打たねばならないのだろうな、と感じる次第でした。
建屋が吹き飛んだり、政治が介入したりとニュースで見た現象を時間が経った今見直すのも価値があると感じました。
とはいえ、この映画の価値は現場の空気感を捉えたとこで、細かい描写でそれが伝わってきました。
印象的だったのは、本店とのテレビ会議シーン