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ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶評論(13)
兵士のみならず一般県民も根こそぎ動員されて戦争に巻き込まれ、多くが亡くなり生き残った人も惨憺たる苦労をしたお話。
旧日本軍を徹底的に敵視するのはわかるんですが、いまひとつ納得できないのが3点。
1 神風攻撃は非熟練パイロット中心で命中率が低く効率が悪かったというのは、愛する家族を本土に置いて爆弾抱えて敵艦に突っ込んだ方々にあまりに失礼ではないか
2 「後世、特別のご高配を」と伝えて自決した大田中将を完全に無視したこと
3 旧日本軍に比較してアメリカ軍は人道的と描いていたが、彼らはその後、非戦闘員の住む都市の真上に2発の原子爆弾を投下したこと
出演者をみても政治的に色がついている。
悲惨な戦争の現実を伝えて、2度と起きないよう訴えるのは正しいと思います。
一方、他国からチョッカイだされている現実のなかでどのように振る舞うべきか、判断難しいですね。
そんな事実があったんだという事と戦争は悲しみしか生まないのではないか。
米側の記録映像を交えて語られる、悲惨な過去。
本土決戦を控えた時間稼ぎの「捨て石」扱いだった沖縄。
「八紘一宇」「生きて虜囚の恥しめを受けず」などの全体主義統治下における洗脳教育の怖さ。
実は集団自決などではなく、軍による自殺命令だったこと。
などを浮き彫りにしていく。
戦争はダメよね、ってのは当然として。
教育の大切さ、自分自身でものを考えて「お上」に判断を丸投げしないことの重要性を、改めて認識しました。
極度に肥大した国(や組織)は、命令しても責任は取らないし、国民を守らない。
組織にあっては、人間的な判断よりも、組織の利益優先の思考に陥る特性も、戦争は露わにします。
作品の作りはよく、監督の示したい方向性は理解できるものの、最後の宝田さんのナレーションと音楽は、過剰すぎたかも。
あと、使用された記録映像にはたくさんの死体が写るので、耐性がない方はつらいかも。