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異人たち プロット イギリス 04月19日 台灣上映
異邦人たち プロット 日本・香港合作 02月24日 2001 台灣上映
夏時間の大人たち プロット 日本 03月15日 1997 台灣上映
夏草の女たち プロット 日本 08月08日 1987 台灣上映
白と黒の恋人たち プロット フランス 12月21日 2002 台灣上映
ひとりぼっちの狩人たち プロット フランス 10月14日 1995 台灣上映
異人たちとの夏評論(20)
公開当時に映画館で見て、その後もレンタルで2回くらいは見ていて大好で、追悼でHuluに上がっていたので見た。最後に見たのは20代の時でそれから主演に風間杜夫の年齢をはるかに追い越して見たら、ずっとあまり好きではなかった名取裕子とのやり取りや場面にぐっと来た。鶴太郎と秋吉久美子の粋な感じはずっと一貫してすごくいい。永島敏行もなんだこいつと思っていたのだけど、改めて見ると分からなくもないし、あんなに支持してもらえたら心強い。半面、風間杜夫の思いあがった感じが鼻につく。バブルの真っただ中な感じもよくて、とても面白かった。そんな風には描かれてはいないけど、景気の良さが随所に滲み出していてこの時期にお金を好きに使える立場だったらさぞ楽しかっただろうな。
(追記)
永島敏行がお化けの名取裕子を横蹴りで倒す場面がすごい。咄嗟の判断であんな勇敢な行動ができるような男でありたい。名取裕子は自分がお化けのくせに両親と会うのを妨げようとして厚かましいのだけど、最初に風間杜夫の部屋を訪ねた時は切実な思いがあっただろうし、それには一体何が原因だったのか、よほどの事情があったのだろう。気の毒に思う。
どうもおかしい構成だと思ったら、Cape Godさんのお調べでは「亡き両親が悪霊《KEI》に取りつかれた息子を正気に戻すために現れた」というのが物語の骨格なのだそうだ。
それならば、ラストシーンで、雑草の更地でアイスの皿が再登場するのだが、名取裕子に向けてどこからかあの皿が投げつけられるとか、の演出が加わっていたならもうちょっと違ったかも。
そんなわけで作りは「?」だったけれど、
すき焼きの場では不覚にも声を出して泣いてしまった。
大人になっても、子ども時代にも、僕らはさまざまな幽霊に脅かされ苦しめられてるよね・・・
でも「お前を誇りに思うよ」とあの世から聞こえる声が
疲れた心にこんなにも嬉しい。
うんと泣いて、元気になった映画でした。
作品の内容は、人口に膾炙しているので、敢えて記さない。
<鑑賞当時の感想>
・”親子の関係”とはどのような状況でも永遠に繋がり続けるという事。
・山田太一さんの小説自体が素晴らしいのだが、その作品の”独特の世界観”を崩さずに映像化した大林監督の力量と市川森一の脚本の凄さ。
ー書いているだけでも、凄い布陣である。-
■想い出のちょっと恥ずかしいシーン
・名取裕子さん演じる妖しくも哀しき女ケイ(凄い、色気であった・・・)と原田とのベッドシーン。初見時は学生で、TVで友人と観ていたので、かなり気まずくもドキドキしながら観たなあ。
■白眉のシーン
・浅草の誰もいないお盆の時の道路で、原田(風間杜夫)と鯔背な寿司屋職人の父(片岡鶴太郎)とのキャッチボールのシーン。そして、二人が交わす会話。
・今半別館の二階で、三人がすき焼きの鍋を囲んでの会話の素晴らしさ。
特に、原田の父の台詞に涙が滲む。
”こいつは12で両親を失って・・・・、良く頑張った・・。”
・原田の両親(母は、秋吉久美子・・そりゃ、美しいですよ。)が後ろの襖窓から夕陽が差してくる中、徐々に姿が消えていくシーン。そして、暗くなった間に独りで座り込む原田の背中・・。
ー個人的に邦画の名シーンの一つだと思っている。-
<初見時から数十年振りに観ると、ケイの本当の姿が露わになるシーンなどは正直厳しいものがあるが、それでもこの作品は私にとっては忘れ難き名作なのである。>
現代版「牡丹灯籠」のような内容だが、相手は死んだ両親。と、思わせておいて実は藤田が幽霊で彼の衰弱もそれが原因(予想通り)。やっぱり牡丹灯籠だった。胸の火傷を隠し続けた意味もよーくわかった。
音楽はプッチーニの歌劇ジャンニ・スキッキの「私のお父さん」。すし職人、きゅうり、アイスクリーム、花札などなど、心温まる映画だな。