ジョゼと虎と魚たち
プロット
日本
12月25日 2020 台灣上映
ジョゼと虎と魚たち(2003)
プロット
日本
12月13日 2003 台灣上映
ナポリと女と泥棒たち
プロット
イタリア
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プロット
日本
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プロット
日本
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プロット
ドイツ
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ジョゼと虎と魚たち(2020・韓国版)評論(4)
韓国版はより暗く切なかった。アニメとは違った良さがあった。主演のハンジミン、ナムジュヒョクといった韓流ドラマ主役の人気2人で作成された点も絶賛!
ナムジュヒョクは少年のような瞳で涙を誘い切なさを出す天才。→韓流ドラマのスタートアップも是非。
足が不自由で天邪鬼な女の子と、好青年がいつしか恋に落ちるストーリー。
ラストは、何故そうなるのか?
女の子の心理が分からないが、何とも切なく涙が溢れた。
彼はどんな心境で結婚するんだろうか?
その後が知りたくなるドラマ。
韓国版も是非お勧めです!
シネマ映画.comで先行配信より
"To some women nothing fits better than the onset of ambition.
Love makes them passive"
サガン『一年ののち』より
昔、南の島で働いていた時、韓国系の知人から、京都と同じような韓国の新羅王朝の首都であった歴史ある場所で現在は世界遺産の「慶州(キョンジュ)」に行くように勧められたので、日本に帰るついでと言っては何だけどトランジットとして立ち寄ることに... ソウルからバス旅行というチープな選択しかできないかったのとあまり"旅行き"としては、いい思い出もなく日本に帰ったのを思い出す。
旅を楽しめなかったのは、嫌韓に近い個人的な偏見がそうさせたのかもしれない。そしたら南の島の韓国系の方とはどういう付き合いってか?
Josee: If that tiger had come over the wall, I still wouldn't have been
scared.
Yeong-Suk: Why not?
Josee: Because you're here.
Yeong-Suk: I'm not sure I can fend off a tiger. Then, I'll let him eat me,
and you run.
Josee: That works, too. I remember the sound you made walking to
me.
I'm not scared anymore.
今夏、まさにタイミングよくパラリンピックが日本で開催され、車椅子での活躍をされている方の姿をテレビで普通に目にすることが、彼らの姿から自分の弱さを感じ、さらに勇気づけられることも多いことで感謝もしたくなる。
無知とは時間を無駄にする代名詞のように、映画を知らない愚かな者は全ての『ジョゼと虎と魚たち』を鑑賞することに... 本作から始まり、2003年の池脇千鶴と妻夫木聡の実写版から2020年のクリスマスに公開されたアニメ版まで一気に...
ところで原作者とジョゼの名前を引用した小説家とは、8才の年が違うものの作家活動の始まりはほぼ2年の違いしかなく「徹底的な悪人や救いのない悲劇は書けない」との持論の田辺聖子と実存主義による中流の人々のやや平穏無事な生活を淡々と描くサガンとは、一般庶民の生活にフランスと日本の違いはあっても共時性が感じられる。
特に原作者の田辺聖子は「切ない物語にもどこか軽みがあり、ユーモアとたくましさが漂う」ことのモットーから、ジョゼの女性としての自立のあり方を関西のべたな大阪弁で描き切っている。
2003年の日本版では、祖母がジョゼを乳母車に乗せて障がい者を疎み、恒夫が泣いて分かれるシーンが同情ではなく真の愛を貫き通せなかった「自分が逃げた」ことだと恒夫が言っていることで彼の嘆きを描いていて感動を呼ぶ一番のクライマックスを描いた日本版と違いその部分をカットしている本作... 前述のパラリンピックで世界と戦っている姿が輝いていた選手たちの姿を見て障がいを持つことイコール、ハンデと捉える刷り込まれた考えは社会の歪みが生みだしたメタファーであるようにも映り、あくまでも健常者の男性目線から描いた映画であると言える。昔、目の不自由な女性を愛する基次 がその最愛の女性とのお互いの足りない部分を補うような粗末な生活を彼の兄が「燕雀(えんじゃく)安(いずく)んぞ鴻鵠(こうこく)の志(こころざし)を知(し)らんや」を引き合いに出して揶揄したようにそんなに社会の目線を気にする必要があるのかという問いに何も日本版では響いてこない。曽野綾子の答えは、そんなに遠くに飛んでどうするのか、地を這う鳥でも一生懸命お互い生きていると主人公の基次 を使って代弁させていたのを思い出す。
映画音楽と主題歌を担当しているのが妻夫木聡がファンのくるりという人を起用するあたり、彼の忖度って... さすがホリプロ。
一番受け入れやすかったのが、かなりの部分で原作を改変をしているアニメ版『ジョゼと虎と魚たち』でアニメならではのファンタジー要素やキャラ設定や声優の方々のマッチ感にプラスするようにいい塩梅の原作に近いラストが光るラブコメなので久々に映画として日本アニメを見た者にとっては望外な心地よさが特徴の作品になっている。しかも外国の方のブログでもジョゼと恒夫の出会いの場の天王寺七坂の一つ「愛染坂」が話題に...
Whenever he had spoken of love, she had spoken of love's brief
duration. 'A year, or even two months from now, you won't love
me anymore.' Josée was the only person he knew who had a real
consciousness of time. Everyone else, including himself, was
driven by some very fundamental instinct to try, or pretend, to
believe that love could last and solitude be dispelled forever.
サガン『一年ののち』より
観覧車の前でジョゼが、自分のことを哀しくなるような言葉で尋ねた時にヨンソクは「可愛いよ」って答える場面が、サガンのジョゼが愛することを抒情詩的に彼女に投影するようで、しかも作中の二人の存在感を... 水族館で彼女が「魚が水槽で逃げ場がないように見えるけど、魚からすれば人の方が逃げ場がないように見えている。」... と言った後のその次の言葉には田辺聖子とサガンをミックスしたような暗喩的表現が使われている。
ただサガンの小説の中でジョゼに恋する既婚の作家、ベルナールが「いつかあなたはあの男を愛さなくなるだろうそして、いつかぼくもまたあなたを愛さなくなるはずだ。」や「われわれはまたもや孤独になる、それも同じことなのだ。そこに、また流れ去った一年の月日があるだけなのだ」とサガン流の実存主義的による活発で裕福なジョゼの姿を田辺聖子は好対照に描くことでより哀しみが伝わり、そのギャップ感が、本作のジョゼは以前の彼女ではなく世界に一歩踏み出す彼女の雄姿を想像し、そして、何よりなことは、ハンディキャップだけが目立つ引きこもりがちで、いつも小声で話す女性が、精神的に克服し、他の健常者と変わらない一人の女性として生きてゆく決心を異なった2つ以上の形象を一つに共有する同時性も目の当たりにする。
No such thing as a happy ending. All endings are sad. Especially
if the story was happy.
映画『レミニセンス』で主人公のジャックが「たいていの映画は哀しい終わりを迎えるけど特に話がハッピーなら余計に感じる」なんて言葉が哀しい映画には有難迷惑なようにそのまま当てはまってしまう。ただ救いなのが、哀しい物語と捉えるのもアリかもしれないけれど恒夫としてのヨンソクの優しさに触れることができたのはジョゼを含め私も幸いを感じる。
The flowers are dying. Silently and prettily dying.
限りなく美しく撮影されることで前半のジョゼの雑然とした部屋なのに何故か、コントラストがよく、その印象が続くことが、ラストの車椅子を押すヨンソクの後ろ姿と桜並木の桜が、散りかけている様子がジョゼの言葉と共に余韻を残しながら... 幕が閉じる
人はこの映画のことを抑揚がなく寝落ちをするぐらいつまらない映画だと口にすることに対して必ずしも否定はしない... 一方では2003年版の恒夫の号泣するシーンを削ったことで、そんなやわな男の記憶なんていらない美しい思い出だけを大事にする女性目線で描かれていると感じ、また「アタイたちは死んだモンになってる」と恒夫との生活をジョゼに言わせる田辺聖子の小説とは異なり、くだけて例えるなら「人間一人一人の存在を大事にし、どう生きるか考えること」である実存主義のサガンの小説への転化と考えてもいいかもしれない。
とにかく暗さの中に美しく描かれている風景に溶け込むジョゼとヨンソクを是非、見ていただければと願うだけです。
主演のハン・ジミンさんが出演されていた『イ・サン』を見てから、自分が食わず嫌いだったことを知ることに... それからクダラナイ嫌韓なんてのを止めにして韓国映画やドラマを見ることができたのは彼女のおかげで、今では韓国映画のコメントもできるようになったので感謝しかない。
ハン・ジミンさん ありがとう
映画でないと出せない表現だと思い見に行って良かったと思いました。
原作を読んでから観に行けば最後の30分も納得いったのかな?
ヨンソクの葛藤がもう少しわかりやすければ良かったと思いました。