「クラウド アトラス」「空気人形」などで国際的に活躍する女優ペ・ドゥナが、2年ぶりに母国・韓国の映画に出演し、「アジョシ」「冬の小鳥」で演技派子役として注目されたキム・セロンと共演を果たした主演作。とある港町の派出所へ左遷された、ソウルのエリート警察官ヨンナムは、母親が蒸発して父親と義理の祖母に虐待されている少女ドヒと出会う。ドヒを救おうと奔走するヨンナムだったが、自身のある過去が明らかにされ、窮地に陥ってしまう。そんなヨンナムを救おうと、ドヒはある決断をする。2014年・第67回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、日本でも同年の第15回東京フィルメックスのコンペティション部門で上映された(映画祭上映時タイトル「扉の少女」)。監督は本作が長編デビューとなるチョン・ジュリ。
私の少女評論(19)
所長に懐く少女の虐待からくる精神的不安とまだ幼いのに何か恐ろしさを感じさせるその眼差し。ペドゥナも上手いが、何てったってキムセロンちゃんの演技力!!ゾッとしました。切なくてもどかしい愛のある作品。泣けます。
なかなか重く、深い、なんとも言い難い作品でした。
まず、ペ・ドゥナさんとキム・セロンさんの演技力が素晴らしい。
本当の親には逃げられ、学校ではいじめられ、家に帰れば暴力を受けるという圧倒的に可愛そうな少女ドヒ。
ソウルから田舎の交番にに飛ばされた所長ヨンナム。
ヨンナムには何かしら秘密があると思っていましたが、女性だから同性愛者だからといって差別される、差別とまではいかなくても、少し変人扱いされてしまう状況は本当に観ていて辛かったです。
ドヒにとってヨンナムは女神のような存在、彼女の存在もあり、小さな怪物となってしまったのかもしれませんが、最後の展開はドヒの勝利。
救いのない世界の弱者だけど、強い!ということを証明してくるようで、少しスカッとしました。
海辺の小さな田舎の村という閉鎖的な空間だからの怖さだったり、辛さだったりが、ひしひしとこちらにも伝わってくる作品でした。
行ったことはありませんが、韓国の田舎ってこんな感じなんだろうなぁと思える独特な映像も良かったです。
とにかく、ヨンナムのようなカッコいい強く生きる女性を応援したくなります。