フローズン・タイム
プロット
イギリス
01月26日 2008 台灣上映
ゴーストバスターズ フローズン・サマー
プロット
アメリカ
03月29日 台灣上映
クリムゾン・リバー
プロット
フランス
01月27日 2001 台灣上映
ビッグ・リバー
プロット
日本・アメリカ合作
05月27日 2006 台灣上映
ザ・リバー(1984)
プロット
アメリカ
02月21日 1986 台灣上映
リバー・オブ・グラス
プロット
アメリカ
07月17日 2021 台灣上映
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フローズン・リバー評論(19)
名画座にて。
公開時にかなり話題になったのを思いだす…。
タランティーノも絶賛したらしい。なるほど…と思える。
何時ぞやも書いた気がするんだけど、
「女性」監督が「女性」を描くとこうなります。の貧困版^^;
どちらの女も、愛らしさとか艶っぽさとか全てに欠けて
おり(すいません)本当に辛いのよ感が面前に迫りくる。
もうハッキリ言って皺とか肌肉を見てるだけで、辛い。
旦那に新居の資金を持ち逃げされた子持ちの中年女と、
旦那に死なれ子供を義母に獲られてしまう先住民の女。
二進も三進も行かなくなった二人の前に広がる凍川…。
うーん、設定が面白いうえに巧い。
まずハリウッドじゃ観られないような展開を見せる。
緊迫感はそこそこなんだけど絶対絶命感が莫大((+_+))
だいたい食事がポップコーンだけ。ってどうなのよ~。
どう見ても子供達は育ち盛りだぞ。
息子がお母さんに電話して「ゆで卵があったでしょ!」と
言われるシーンがあるんだけど、エ?ホントそれだけ?
(一応理由は給料前だかららしいが)いやいや、新居の
資金だけじゃなく全財産持ち逃げされたんじゃ?である。
しかし私的にツボだったのは主人公の息子で、
そんな母親を助けるべく、なぜか庭でメリーゴーランドを
直している^^;直したら売って生活費や学費の足しにする
という目的みたいだが、何か他に思いつかないのか?と
思えるほど呑気で笑える。ついにはオレオレ詐欺商法に
手を出すことになるのだが…。(ラストに乞うご期待)
違法ビジネスに手を出したとはいえ、切実な二人の姿を
見ていると(しかもこの二人、ちっとも仲良くならないし)
なぜだか悪いことをしているように思えず^^;
失敗したか…!?と思った瞬間に、二人の間の緊張感が
ピークに達し、川より凍りつくところなども秀逸。
安いお涙頂戴モノになっていないところなども素晴らしく、
女だからと甘く見るんじゃねーぞ。感も絶大。
ラストの選択には、そうきたか…というこれもまた意外で、
かといって不幸なラストでもない。
この一家には、夫が帰ってこない方がいいんじゃないか?
大きなお世話ながら原因を作った夫がまったく出てこない
ところなんて、やけに潔い^^;
(いくら凍っていてもその上を車で…つーのは怖いですねぇ)
1本前の『意外』は超満員でしたが、
コチラの作品は、チラホラと空席がありました。
2009年アカデミー賞主演女優賞ノミネート
2008年サンダンス映画祭審査員大賞受賞
他には、米国の違法入国に関る2人の母親の
壮絶なドラマ、この作品紹介に魅かれました。
しかし、
まさか、この97分後、
体が震えるほどの衝撃に
襲われることになろうとは、
このとき知る由もありませんでした。
☆彡 ☆彡
なに、これ
胸が締めつけられて
メチャクチャ苦しいんですけど
上映終了後、
大きな拍手が劇場を包み込みました。
私は、
スクリーン内に広がった
極寒の地さながら、寒気に
襲われ、鳥肌をたててしまいました。
興奮は、すぐにはおさまらず、
上映終了後に行われた監督のティーチインで、
思わず、挙手をして、質問をしてしまいました。
さらに、パンフレットを購入し、監督の直筆サインをもらう。
極度の興奮状態になると、
どうも私は歯止めがきかなくなるようです(苦笑)
◇ ◇
コートニー・ハント監督。
今作が、長編初監督になります。
実際にあった話を
当事者に取材を敢行。
最初は短編作品を製作。
その後、メインキャストを
そのままに、今回の長編を作ったそうです。
①異文化
②2人の母親
③子供へ有形無形の愛情
この3つが作品のキーポイント。
以下、なるべくリーフレット内に留めつつ記載します。
①白人と原住民モホーク族
これは実話を脚色。
まずは根深い人種差別。
驚いたのは、モホーク族が住む土地を
保留地と名づけ、米国内の法律が適用されないこと。
国境近くの保留地外。
白人運転の車はパス。
モホーク族運転の車は職質。
②この本来なら交わるはずのない2人が、
白人母親レイの夫が新居購入資金として
貯金していたお金を全額持ち逃げしたことが原因で接点を持つ。
最初は、お互いに銃を
向け合うほど、壁を作り、拒絶しあう。
③しかし、レイは愛する2児を育てるため。
モホーク族のライラは子供を叔母から取り戻すため。
不法移民を密入国させる危険な仕事に身を染めていく。
その中で、お互いを知り合い、
やがては、“友人”と呼びあえるような仲にまでなっていく。
◇ ◇
胸を締めつけられたのは、
“友人”と呼びあえるようになるまでの過程。
白人レイ。
最初はライラを利用しているだけだったんです。
もう自分のことしか考えていない。エゴ丸出し。
ところが、
最後の最後で、
ある行動をとり、
ライラを“友人”と口にするんです。
そして、ラストカット。
昼間のシーンは他にもあったのに、
それまでで一番明るく感じる、希望に
満ち溢れた素晴らしい映像に、震えながら感涙したのでした。
☆彡 ☆彡
え~、詳細を書き出したら、
絶対に、文字数が足りなくなる(苦笑)
それほどに、胸をうたれたのですが、
上映後、監督への質疑応答。なぜか、男性が多い。
わたしこれも初体験だったのですが、
質問じゃなくて、批判めいた意見が多かったんです。
“父親が一切登場しない”
このことに対する批判。
恐らく父性を軽視しているのではないか、
そのことを、監督に伝えたかったのだと思われます。
わたし、男ですけど、全然気にならなかったんです。
だから、そんなに、感情的になる問題か?と違和感アリ。
ドキュメントじゃないんだから、いいじゃん
それに、ここに父親登場させたら、話の論点がぼやけちゃいますよ
「ドキュメントとして作ることもできた」監督談
それだけのリアリティ・希望・力強さが満ち溢れています。
2010年正月にシネマライズにて上映されるのが決定済み。
子供のためなら罪をも犯す
きっとあなたも、
母の強い愛に震撼させられます。
なので、映画としては珍しく、ニューヨークが舞台であっても摩天楼は登場せず、川も凍るほどの田舎が舞台だ。そして、モホーク族の居留地が物語のもう一つの舞台となる。
ネタバレ投稿は好きではないので、これ以上の詳細は書かずにおきたいが、触りだけ紹介したい。
この映画の公開は2008年(日本公開は2010年)。当時より現在の方が悪くなっているかもしれないが、貧困地域に住む人々の環境は劣悪だ。この映画の主題はそこにある。主人公は、旦那に逃げられ、子供と借金(実際にはローンの残金)だけが残っているパートで働く主婦と、居留地のトレーラーハウスに暮らす先住民族の若きシングルマザー。
物語は二人が密入国を手助けし仲介料を手にすることによって展開していくが、密入国させる外国人は彼らよりさらに貧困である。地元警察官たちも主人公や密入国者の厳しい境遇を知っていて、彼らに同情すら感じている。
正義とは何か。罪とは何か。
幾重にもなる貧困の階層の底で、恐怖に抗いながら渡る凍った川。彼らが掴もうとする儚い光は、人間として保障されるべき最低限度の幸福ではないのか。
この映画が語りかけるテーマは解決しがたく、あまりにも深い。