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スイートリトルライズ評論(14)
女性に圧倒的な支持を獲得している作家、江國香織の同名小説を、「ストロベリーショートケイクス」で女性のいやらしさ、可愛さを丁寧に描き出した矢崎仁司監督が映画化。
「興味・・・ないんでしょう?」
矢崎監督は、沈黙で埋め尽くされた世界を繋ぎあわせ、必要最小限の言葉達を厳格に、執拗に選り分けて使い、卑猥な、それでいて極上の幸せに満ちた物語を作り出す。しかし、この物語に向き合う上で常に、観客の頭につきまとう言葉が、冒頭の一節である。一つ一つの台詞が完璧な間と必要性の元に用意されているはずなのに、何故か全ての言葉が空を切っている虚しさに満ちている。
「興味・・・ないんでしょう?」
作り手は、ある一つの答えの元にこの世界を描いているように思える。それは、全ての愛が、恋が、そして物語が、永遠に続くことはありえないという諦めと、安心である。
冒頭、テディ・ベア作家である主人公の女性が、ベアを作るシーンを粘着に追いかける場面がある。キュート、そして無邪気の象徴であるテディ・ベアも、作る段階において見えてくるのは、ワラを鉄の棒で押し込んでいく力強さ、そして黒い、甘い瞳を作るために、鋭い針をベアに突き刺す残虐性。甘い物語は、決して甘いままではいられない。汚いし、臭いし、苦しい。この諦めが、本作をより複雑に、かつ華麗に飾り立てていく。
嘘、強がり、そして欲望。寂しさをそんな独りよがりの衝動で誤魔化しても、虚しい。なぜなら、それは、いずれ終わるから。恋愛という素材をテーマに挙げつつ、その裏で人が人として生き、終わっていく悲しさと、幸せを語りだす。だからこそ、全ての言葉が空を切る感覚があるのかもしれない。どうせ、大仰に物語を語っても、観客の人生に変化はつけられないから。きっと、一瞬の道楽に過ぎないから。作り手は、残酷に利口である。
寂しい。きっと、それは終わるまで癒えない。だから、今だけは幸せを味わいたい。その願いの元に観客に届けられた麻薬のような快楽。今はただ、その夢に溺れていたい。
と、書いていながらも、私は心の奥底で思ってしまう。
「こんなレビュー・・・興味、ないんでしょう?」物語は、人を卑屈にする。
テディベア作家の瑠璃子は、
聡と結婚して3年になる
この日常に不満はない、と瑠璃子は思う
さみしさはたぶん、
人間のかかえる根元的なもので、
聡のせいではないのだろう
だれかに——たとえ夫でも、
救ってもらえる類いのものではない
「この家には、恋がたりないと思うの」
聡におもわず、自分の気持ちをつたえてしまう
ある日、
自分のつくったベアをほしがる青年、
春夫に出会う
どうして、春夫といるときだけは、
さみしくないのだろう
「恋をしているの
本当は夫だけを愛していたいのに」
.
.
.
恋は人を救わないと思う
もちろん愛も
こんなに利害がからみあって、
欲がからみあう不安定なものに、
人が救われるわけないと思う
でも、
救われるかもしれないという夢を、
恋はみせてくれる
夢をみている間は、
「これが真実だ」と感じ
心底
かなしいほど心底
いつか、
救われる必要がなくなったときに、
さめる夢
そして夢がさめたとき、
あいての夢もむりやりさまされる
強制的に、
強引に、
むごく、
破られる
瑠璃子は春夫に言う
「あなたを愛してる
これは本当のこと
なんで本当のことが言えるかわかる?」
「人は守りたいものに嘘をつくの」
.
.
.
守る必要がないからこそ、
愛してるなんて言える
思慮なく
.
.
ていねいにつくられた、
いい映画
.
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私自身も既婚者で、周囲からはとても仲のいい夫婦だと思われているけど、ふとした時に感じる寂しさや、心のスキは、なんなんだろう、、と思っていたので、そんな自分の中にたまっていた澱を、綺麗にすくい取ってもらった感じです。
上手く言葉で説明できないことを、絵にして、見せてもらえた。私は、実際に不倫にまで踏み込んでいる訳ではないけれど、自分が感じていることに若干の罪悪感を抱いていたので、「そんなのは決して珍しいことではないんだよ」と言ってもらえた。...そんな気がして、私は気が楽になったというか、なんというか。。。
「あり得ない」って感じる人の方が多いかもしれませんが、でもこのテーマが、本になり、映画にまでなったということは、少なからず、同じことを考えている人がいるんだ、という証明にもなってると思います。
事実私の周りには、離婚したけど毎週一緒に仲良くご飯を食べるカップルや、毎日顔を合わせているのに、直接会話することなく、ブログを通してのみお互いの日々を確認しあう夫婦など、不可解なカップルがたくさん存在します。それは、家の中なのに携帯でやり取りし合う主人公夫婦にとても似ている。
ちなみに、私はこれを観て、「死ぬまでにしたい10のこと」を思い出しました。あの映画も、主人公の行動は賛否両論、「あり得ない!」って断言した人もいたけれど、今回この映画を観たら、私は益々「あり得る!」って思ってしまいました。
いずれにしても私はこの映画を見ることができてとても良かったです。ずーっと、ウソはイヤだと思ってたけど、そんなに悪いものでもないんだ、と目から鱗な考えを持つことができました。そして、自分が「窓」だと思っている相手も、わたくしのことを同じように思ってくれてたらいいな。
またこの監督の映画を観てみたいと思いました。