マフィアの金を奪って逃走せんとする2人の女の姿を描いたクライム・サスペンス。「暗殺者」「アンフォゲタブル」の脚本を手掛けたラリー(65年生まれ)とアンディ(68年生まれ)のウォシャウスキー兄弟が初監督と脚本、製作総指揮を兼ねた第1回作品で、ひねりの効いた脚本とユニークな人物設定、斬新な映像・音響設計など才気あふれるところを見せる。製作はアンドリュー・ラザーとスチュアート・ボロス、撮影は「クルーレス」のビル・ポープ、音楽はドン・デイヴィス、プロダクション・デザインはイヴ・コーリー、美術監督はロバート・ゴールドスタインとアンドレア・ドパソ、編集はザック・スタンバーグ、黒を基調にした衣裳は「プリシラ」のリジー・ガーディナーが担当。主演は「ライアーライアー」のジェニファー・ティリー、「ショーガール」のジーナ・ガーション、「悪魔たち、天使たち」のジョー・パントリアーノ。共演は「ホワイト・サンズ」のジョン・P・ライアン、「12モンキーズ」のクリストファー・メローニ、「クロッシング・ガード」などで俳優としても活躍する映画監督のリチャード・C・サラフィアンほか。97年ポルト国際映画祭グランプリ、主演女優賞(ジェニファー・ティリー)受賞。
バウンド評論(14)
ギリギリのところでバレるかバレないかのせめぎ合いしてるのが
堪らなかったな~~。
そんでおそらくウォシャウスキー監督にしか描けないであろう、
ハラハラするシーンとキュンキュンするシーンのバランス。
あの隣同士で壁を挟んで手を合わせるシーンなんて
あんなロマンチックな場面挟みこめる監督が他にいますかね。
そんでもって
ジョーパントリアーノが翻弄されていく姿も魅力的でしたね。
また、銃とかグラスとかペンキとか小道具の使い方がうまいのなんのって。
ラストを見てこれはまるでレディーガガとビヨンセの
テレフォンのMVやん!と大興奮
CSのレビューを見て「痛快な犯罪劇」と想像していましたが、女性が男性に対して行う、ある種の「復讐劇」と思える物語でした。
情夫に大切にされながらも物のように扱われ、精神的に虐げられる女性。マフィアの惨たらしい暴力に怯えながらも、心の解放の為に踏み出します。
強奪劇も、恐怖との戦い。「痛快」や「爽快」ではなく、素人女性の必死の闘いを「ハラハラ」しながら観ることになります。
楽しめた作品ではありますが、やはり男性目線だと感情移入出来ないところがあり、やや低い評点としてしまいました。