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かもめのジョナサン プロット アメリカ 10月26日 1974 台灣上映
チェーホフのかもめ プロット ソ連 11月12日 1974 台灣上映
さらば夏の光 プロット 日本 12月31日 1968 台灣上映
さらば恋の日 プロット イタリア 11月22日 1969 台灣上映
さらば夏の日 プロット フランス 06月20日 1970 台灣上映
橋からの眺め プロット フランス・イタリア合作 01月01日 1900 台灣上映
さらば冬のかもめ評論(6)
ジャック・ニコルソンの主演作としては「カッコーの巣の上で」と対をなす作品ではなかろうか。
彼が「護送」することになった若い水平の精神が抱える問題点が、収監先であるポーツマスまでの旅の道すがらに明かされていく。一方の「カッコー」ではニコルソン自身が本当に精神に異常をきたしているのかどうかが主題となっている。
「冬のかもめ」のニコルソンは一介の水平なので精神病に関しては素人である。しかし、自分が護送している若者の「欲しくないのに盗んでしまう」癖や「母親に電話ができない」という屈折した母性への渇望を自然に感じ取ることができる。まるで一流のカウンセラーのごとく、この若者の問題行動の原因を親からの愛情不足だと喝破し、この護送中に人並みの生活の楽しみ方を教えることを自分の使命だと感じるのだ。
この姿は、まさに「カッコー」の収容施設の婦長が、収容者たちを精神病者として扱うことによって、やがては本物の精神病患者へと変えていくのと対極にある。
護送途中に立ち寄るニューヨークで日蓮正宗の集会や信者との交流が描かれる。この日本最大の新興宗教がアメリカ映画の中で正面から描かれていることに大変驚いた。
しかも、その宗教に対する眼差しは肯定的でも否定的でもなく、極めてニュートラルに感じさせる。
軍隊や学校教育、まして崩壊した家庭では救われなかった若者たちの拠り所となっている新興宗教の姿を何の衒いもなく描いている。