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プロット
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02月23日 台灣上映
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プラド美術館 驚異のコレクション評論(16)
スクロールが早い!
昨年の開館200周年に企画されたというから、長尺のプロモビデオと割り切るのが吉。音楽PVがアーティストを敢えてたっぷり見せず、細かいカットで飢餓感を煽るのと同様、本作も絵の全体を見せたら次のカット、部分に寄ったと思ったら次のカットとせわしない。字幕版で観たが、吹替版の方が映像に集中できてベターだろう(ジェレミー・アイアンズは良い声だが)。
紹介された中ではボスの「快楽の園」の奇妙さが特に興味深かった。美術本などでじっくり観たい。
しかし、この作品は”只の美術館巡り”の作品ではない・・。ー
■作品の魅力
・紹介される画家、作品は多数で、映画から発信される情報量がナカナカである。だが、懇切丁寧なナレーションが、キチンと補完してくれる。
そして、エル・グレコ、ベラスケス、ヒエロニムス・ボスの代表的な名画についても、大スクリーンの美しい映像で、細部までフォーカスしながら作品解説をしてくれる。
私の感覚的には、一番時間を割いてイロイロと解説してくれたのは、ゴヤであった気がする・・。
ー私は、ベラスケスの「ラス・メニーナス」の右端の少女についての考察や、ゴヤの「着衣のマハ」と「裸のマハ」を比較しながらの考察が面白かった。ー
・美術館スタッフの作品に対する思いを述べるシーンや、修復作業も見ていて楽しい。
ーそれまで、「モナ・リザ」の模写と思われていた絵画を修復していた女性が、”「モナ・リザ」と同じモデルをレオナルド・ダ・ビンチの弟子が同時期に描いた作品で、模写ではない。”と、誇らしげに語るシーンも彼女の仕事に対する愛情と誇りが感じられた。-
・プラド美術館が開館されてから、200年が経つそうだが、その間の歴史を”キチンと”当時の写真などを使用して語ってくれるのも嬉しい。
例えば、スペイン内戦の際の絵画はどのように守られたのか・・、等。
■以前、ルーブル美術館を訪れた時、あの広大な美術館を巡った楽しさは忘れられないが、「モナ・リザ」を観ようとする人の多さと、何しろ「モナ・リザ」であるから傍まで行かないと細部が見えず、辟易した事がある。
挙句、隣のアメリカ人は ”it's too small!" と叫ぶ始末である。
ーこれは、伊丹十三氏のエッセイの中にも同じような小咄があるが・・。-
このご時世、暫くスペインへは行けそうもないし、”空調の効いた殆ど人の居ない空間”で名画を堪能するのも良いのではないかと思う。ー
<”芸術は日々の生活の埃から魂を洗い流してくれる”という、プラド美術館と深い関りを持っていた、パブロ・ピカソの言葉にも納得する作品である。>
■余計なお世話
ジェレミー・アイアンズのキングス・イングリッシュのナレーションは魅力的でありましたが、英語のヒヤリングにある程度慣れていないと、今作の字幕に付いていくのは難しいかな、と思いました。(美術用語が頻繁に出て来る、固有名詞も。)
日本語版を選択するかは、ご自身の英語のヒヤリング力でご判断いただいたほうが良いかもなと、ふと、思いました。