海峡
プロット
日本
10月16日 1982 台灣上映
三たびの海峡
プロット
日本
11月11日 1995 台灣上映
海峡、血に染めて
プロット
日本
10月01日 1961 台灣上映
ドーバー海峡殺人事件
プロット
イギリス
12月22日 1984 台灣上映
おんなの細道 濡れた海峡
プロット
日本
04月12日 1980 台灣上映
飢える魂
プロット
日本
10月31日 1956 台灣上映
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飢餓海峡評論(18)
罪を犯した男を追いつめたのは、刑事の執念ではなく、女の純情だった。
すごく昔にこの映画を観た時は、そう思ったのだけど。
たまたまテレビでやっていて久しぶりに観たら、女の純情というよりも、怖さが際立っていた。
娼婦(左幸子)は、自分を助けてくれた男・犬飼が残した爪のカケラを大事に取っており、それを夜な夜な愛撫しながら「犬飼さーん、犬飼さーん」と身悶える。これって、純情っていうより、変態じゃねえの?と思わせてしまう、左幸子渾身の演技。変態と言ったら気の毒か。一生浮かび上がれない女に唯一差し伸べられた「救い」への妄執。何だか本当に怖かったなあ。
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せっかく犬飼に救ってもらったものの、また娼婦の道へ堕ちる女。
自分の犯した罪を消そうと功徳を積む犬飼。それでも、また、罪を犯してしまう。
そして最後、追いつめられた犬飼は、罪の発端となった海峡に身を投げて終わる。無常だなあ。そんなことを思っていたら、隣で一緒に観ていた家族が、
「犬飼、あれ、絶対、向こう岸まで泳いで渡る気だね。死ぬ気ゼロだね。そういう顔してたね。嵐の日も生き延びたんだから、大丈夫でしょ」と、言い出したので、ちょっとビックリした。ラストが身投げではなく逃亡だとすると、無常ではなく、ものすごく図太い人間の「業」の映画になるわなあ。
そのトンデモ解釈の正誤はともかくとして。
犬飼役の三國連太郎は、どっちに転ぶか解らない「人間の正邪」そのものを演じていたのではないかと思う。
—
追記:読経する刑事役、伴淳三郎も渋かった。
色がない事、時間の長さなど気にならない話の面白さでした。
そして左幸子の娼婦の演技がすごい。てか怖い。
でもこの怖さが終戦直後の貧しさが染みる…ほんと飢餓海峡のタイトルがもうきつい。
これテレビの松本清張スペシャルドラマみたいな枠でリメイクした方が良いのでは?
最近の戦後といえば朝ドラの明るく笑って乗り越えられる戦後のイメージのが大きいだろうし、本作に迫る人間の闇や迫力を出すのは無理でもこの話は埋もれさせずに世に出てほしい。
そんなこんなで偶然テレビ放送で見たのですが見て正解の一本でした。
しかし、映画化は65作の本作1度だけと言う事を考えると、いかに、この作品が良作で、この作品を越える作品を制作する事が出来る人達が、その後現れる事が無かったと言う事だと思う。
今観ても見応えの有る、大変に面白い作品である事は確かだ。
しかし、原作のこの小説は、サスペンスとしてのトリック性について無理があったと、その後指摘されていた様だ。
だが、ドラマとして多少の設定の不自然さが、ミステリーや、サスペンスものには付きもので、その点を指摘しても余り意味は無いと私はこの作品を観て感じた。
むしろ、この作品に出演した、強盗殺人容疑者犬飼という男を演じた三国連太郎の芝居の巧い事には圧倒される。改めて俳優、三国連太郎の偉大さを感じ、心から冥福を祈りたい。
そして彼を追う執念の老刑事、弓坂刑事を演じた伴淳三郎の素晴らしい芝居は、その後の刑事ドラマでの、刑事役の理想の原型になる。その渋い演技は今でも観ものの一つです。
そして、その2人の脇を固めるのが、今や邦画界の重鎮の一人である高倉健さん、そして昭和の名母役として名高い、沢村貞子など豪華なキャスティングだ。
この映画を観ていると、高倉健さんが演じる味村刑事は、まるで子供の様に見えてしまうくらいだ。
この作品を監督していた内田吐夢は、「大菩薩峠」「宮本武蔵」などの時代劇を晩年監督した事でも有名な名監督だ。
昭和初期の御姫様女優として、名高い入江たか子と言う、邦画界きっての大スターをスカウトしたのも、この内田監督だと言う。
3時間とこの作品は、かなりの長尺であるけれども、私は全然長さを感じる事も無く、あっと言う間に観終えてしまった。
それは、三国連太郎演じる樽見京一郎というキャラクター性と、彼を想い続けるヒロイン杉戸八重を演じた、左幸子がまた、素晴らしく巧い役者である事がこの映画を飽きさせずに観客の目を惹きつける所以だ。左幸子は、社会派大監督である今村昌平監督の代表作「にっぽん昆虫記」で日本人として初めての主演女優賞をベルリン国際映画祭に於いて受賞するなど、国際的にも評価を得る我が国の昭和期の演技派女優だ。
水上勉のベストセラー小説が原作であり、この昭和期に日本の映画界・演劇界を牽引する程の実力派俳優を多数キャスティングして生れた本作は、邦画の歴史に残る名作として、是非観ておきたい作品だ。今、再びこの作品をリメイクするとしたら、一体どんな俳優を選ぶ事が出来るのかと考える、想い浮かばないのが現状だ。
平成時代に入ってからは、こう言う芝居で魅せる社会派ドラマが無くなって、それに代わり、コメディー色が濃いが、今一度こう言う作品が出来る事を期待したい。
左幸子がまた難しい役所を巧みにグイグイ演じる。
ヤング三國連太郎とヤング健高倉の演り合いも必見だ。